2025年、東京で世界陸上 34年ぶり帰ってキタ~ッ!!五輪でかなわなかった国立競技場有観客開催

[ 2022年7月16日 05:25 ]

国立競技場
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 世界陸連は14日、世界選手権開催中の米オレゴン州ユージンで理事会を開き、25年の世界選手権開催地を東京に決めた。会場は昨夏の東京五輪のメインスタジアムとなった国立競技場。日本での開催は91年東京、07年大阪に続き3度目で、国別では単独最多の開催となる。これを受け、トラック存続か球技専用化かで揺れた国立競技場について、末松信介文部科学相が15日にトラックを残す方針を示した。

 34年ぶりに陸上の祭典が東京に帰ってくる。理事会では立候補した東京、シンガポール、ナイロビ、シレジア(ポーランド)の4都市を巡り議論。セバスチャン・コー会長によればシンガポールと接戦になったものの、競技場や運営能力、人材、スポンサーなどで評価の高かった東京が僅差で上回った。

 決定を受けて会見に臨んだ日本陸連の尾県貢会長は「大変光栄で責任も感じている。東京2020のレガシー(遺産)を生かし、その上に新しいものを積み上げながら、歴史に残る世界陸上を開催したい」と語った。開催時期は日本陸連が9月中旬を推しているものの、世界陸連は8月下旬を希望しており、今後調整を図っていく。

 日本で3度目となる世界選手権を巡っては、コー会長が20年10月に国立競技場を視察した際に逆オファー。日本陸連は昨年10月に正式立候補を表明し、同12月にはサブトラックがなくても国際大会を開催できるようにルール改正。今年5月下旬に評価委員会が視察来日した際には、スポーツ庁の室伏広治長官や東京五輪女子100メートル障害代表の寺田明日香らが開催を訴えるなど、熱心な招致活動が功を奏す形となった。

 開催決定を受けて国立競技場の後利用問題にも終止符が打たれる。政府は17年に球技専用化の方針を決めながら、二転三転。この日、末松文科相は「支障が生じないよう見直しを図りたい」とし、事実上、トラック存続を決めた。五輪で使用した仮設のサブトラックは撤去されており、大会中は約2.5キロ離れた代々木公園内にある織田フィールドの利用が検討されている。

 開催が何より意義深いのが、昨夏は無観客だった国立競技場で有観客の国際大会が開催されること。室伏長官は「東京2020大会ではかなわなかった満員の観客に包まれる国立競技場で、国内外のトップアスリートが躍動する姿を、子供たちを含め多くの人々が生で観戦できる機会となるよう期待しています」とコメントした。

 ▽陸上世界選手権 通称世界陸上。80年モスクワ五輪を西側諸国がボイコットしたのを機に開催機運が高まり、83年にヘルシンキで第1回大会を開催。91年の第3回東京大会までは4年ごとの開催だったが、93年の第4回以降は奇数年の隔年開催となった。東京五輪の1年延期により21年大会が今年に延期、23年はハンガリー・ブダペストで開催される予定。近年は200前後の国・地域から2000人近い選手が参加している。

 【日本開催の世陸、前回東京大会はミスター「ヘイ、カール」】
 ☆91年・東京(国立) 第3回大会として8月23日~9月1日に開催。男子100メートルではカール・ルイス(米国)が9秒86の世界新で優勝。個人2冠を狙った走り幅跳びは現在も世界記録として残る8メートル95を跳んだマイク・パウエル(米国)に3連覇を阻まれ衝撃が走った。日本勢では男子マラソンで谷口浩美が金、女子で山下佐知子が銀メダルを獲得した。

 ☆07年・大阪(長居) 8月25日~9月2日に開催。のちに世界を席巻するウサイン・ボルト(ジャマイカ)は200メートルで2位に入り、2度目の出場で初のメダル。酷暑の中、記録的には世界記録なしという平凡な大会となった。日本勢のメダルも女子マラソンの土佐礼子の銅1つにとどまった。

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