蝉川泰果、プロツアー15試合目で初首位 全国約50人の珍名アマ21歳が11アンダー

[ 2022年4月16日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 関西オープン第2日 ( 2022年4月15日    兵庫県 よみうりCC(7180ヤード、パー71) )

<関西OP第2日>10番、ティーショットを放つ蝉川泰果(撮影・井垣 忠夫)
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 首位に1打差の2位から出たアマチュアの蝉川泰果(たいが、21=東北福祉大4年)が67をマークし、通算11アンダーでプロツアー自身初の首位に立った。全国で約50人(名字由来ネット調べ)の“珍名アマ”が、倉本昌弘、石川遼、松山英樹、金谷拓実、中島啓太といったそうそうたる面々に続くツアー史上6人目のアマチュア優勝を目指す。片岡尚之(24=フリー)、比嘉一貴(26=フリー)、星野陸也(25=興和)が首位に1打差の2位につけた。

 これがプロツアー15試合目だが、最高は21年マイナビABC選手権の49位。もちろん、首位争いした経験などない。だからスコアボードの一番上にある全国に約50人しかいない「蝉川」の名前を見るたびに、平静さを失いそうになった。必死に乗り越えなければと自分を奮い立たせた。

 「今年はQTを受ける年。プロに交じっても通用しないといけない」。憧れの先輩・松山、金谷に続く東北福祉大3人目のアマVへ“常勝軍団”の主将の心は折れなかった。

 生命線は「300ヤードはいってる」と胸を張る1W。OB領域が広く、多くのプロがティーショットを刻むコースで6番以外は第1打にこの1Wを選択する。通常よりも短い44・5インチのシャフトのグリップをさらに3センチ余して握り、フォロースルーを抑えたパンチショットで弾道を制御。フェアウエーキープ率は53・57%だが、春先の短いラフならばフェアウエー以外からでも短い番手なら十分にバーディーを狙えるという計算がある。7番では1Wでグリーン手前のラフまで運んで、残り40ヤードを1メートルに寄せてバーディーを奪った。

 「蝉川」の名字だけでも目を引くが「泰果」と書く下の名は「たいが」と読ませる。ゴルフ好きの父・佳明さん(61)がタイガー・ウッズのようにと願って付けた。史上6人目のアマチュア優勝が懸かる大会。「優勝は見過ぎないようにして、まずはアンダーパー」と謙虚に言ったが、決勝ラウンドでさらなる“チャージ”に期待が高まっている。

 ◆蝉川 泰果(せみかわ・たいが)2001年(平13)1月11日生まれ、兵庫県加東市出身の21歳。プラスチックのクラブで1歳からゴルフを始める。大阪・興国高を経て東北福祉大へ。17年関西ジュニアで優勝。21年には関西アマチュアを制し、日本アマチュア4位、日本学生2位。今年からナショナルチーム入り。1メートル77、75キロ。得意クラブは1W。

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