【箱根駅伝】法大10位 残り1キロ大逆転でシード権、10区・川上「部屋っ子」6区・武田快走に奮起

[ 2022年1月4日 05:30 ]

第98回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2022年1月3日    神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間、109・6キロ )

10位でゴールし、チームメートと抱き合う法大10区・川上 (撮影・光山 貴大)
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 予選から勝ち上がった法大が、土壇場の逆転で3年ぶりのシード権をつかんだ。最終10区、シード圏内の10位とは32秒差の11位でたすきを受けた川上有生(3年)が、残り1キロを切った日本橋付近で東海大を逆転。タイムは区間11位。決して“快走”ではなかったが、仲間たちの思いをエネルギーに、ラストスパートにつなげた。

 「残り3キロでかなり差をつけられていたが、東海大がかなり遅れて見えた時、これは行かないとダメだなと思った」。一気に抜き去った後、最後の直線では勢い余ってコースを間違えそうになったのはご愛嬌(あいきょう)。歯を食いしばってゴールに飛び込んだ川上は「23キロトータルで戦うことができた」と胸を張った。

 鶴見中継所を8位通過した東海大とは、実に1分22秒差。1万メートルのベストが29分6秒97と箱根駅伝では“平凡”な部類の川上のペースも中盤まで上がらず、残り8キロの地点では伴走車の坪田智夫監督から「頼むぞ川上!」と叱咤(しった)激励が飛ぶほどだった。

 心に火を付けたのはそれだけではない。6区区間2位と快走した武田和馬(1年)は同部屋の後輩。「部屋っ子が頑張って走ってくれたのに、先輩が走らないわけにはいかない」。上級生のプライドで、大手町のゴールを駆け抜けた。

 出場回数は歴代4位の82回。歴史と伝統を誇る法大だが、総合での最高順位は3位と、まだ箱根路を制したことがない。胸アツな逆転シード権で、浮上のきっかけをつかめるか。川上は「予選がない分、本戦の強化ができる。飛躍につながる」と自分に言い聞かせるように誓った。 

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