国学院栃木 県勢初の4強!創部34年目で悲願 吉岡監督「間違いなく最高の一日」

[ 2022年1月4日 05:30 ]

全国高校ラグビー大会準々決勝   国学院栃木17ー7長崎北陽台 ( 2022年1月3日    花園 )

<長崎北陽台・国学院栃木>4強入りを決め、歓喜の伊藤龍(中央左)ら国学院栃木フィフティーン(撮影・北條 貴史)
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 準々決勝が行われ、国学院栃木が長崎北陽台を17―7で破り、27回目の出場で初のベスト4入りを決めた。91回大会のベスト8を超え、栃木県勢としても最高成績となった。4強の残り3校は全てAシードで、東福岡は前回優勝の京都成章、3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)は佐賀工、東海大大阪仰星(大阪第2)は常翔学園(大阪第1)を破った。5日の準決勝は国学院栃木―桐蔭学園、東福岡―東海大大阪仰星の組み合わせとなった。

 「34年間監督をやってきたけど、間違いなく最高の一日です」。1989年の創部から国学院栃木を率いる60歳、吉岡肇監督は感無量の表情だった。日本代表SO田村優(現横浜)らを擁しても届かなかった準決勝の舞台。「栃木県のラグビーの歴史が変わった日。歴史を変える日だと昨夜から(選手に)言ってきたけど、実現して本当によかった」と実感を込めた。

 出場4回目だった77回大会の2回戦で10―22と敗れた長崎北陽台を相手にスクラムを押して2度反則を誘い、ラックでは6つのターンオーバーをマークした。前半はPGの3点にとどまったが、後半8分にSO伊藤龍之介(2年)がサイドを突き、相手2人を振りほどく強さを見せて左中間へトライ。前日2日には明大SOの兄・耕太郎が大学選手権準決勝で同じような勝ち越しトライを決めており「兄のプレーを見て、負けていられないと思った」と胸を張った。

 初戦の2回戦でロックの白石和輝主将(3年)が脳振とうを起こし、今大会の出場が不可能に。部員投票満票で選ばれた主将の無念にメンバーは号泣したが、吉岡監督は「主将を(準決勝の)抽選の場に立たせるというエネルギーになった」と結束を強調した。10―7と迫られた後半25分、パスインターセプトでトライの起点となったNo・8小野田輝平(同)は「主将のためにという全員の意識が高かった」と話した。

 兄弟選手が多く、OBも支援を惜しまないチームは“国栃ファミリー”と表現される。「今まで国栃にいた人たちが積み上げたものを自分たちが受け継いで出せた結果と思う」と伊藤龍。紺色のジャージーが爆発させた歓喜には、確実に34年分の思いが染みこんでいた。

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2022年1月4日のニュース