【箱根駅伝】青学大 復路新&大会新V!2年前の“最強の先輩たち”の記録塗り替えた

[ 2022年1月4日 05:30 ]

第98回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2022年1月3日    神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間、109・6キロ )

総合優勝を決め胴上げされる青学大アンカーの中倉
Photo By 代表撮影

 往路優勝した青学大が復路を新記録となる5時間21分36秒で制し、総合10時間43分42秒の大会新記録。2年ぶり6度目の総合優勝を果たした。9区(23・1キロ)中村唯翔(3年)が14年ぶり、10区(23キロ)中倉啓敦(3年)が2年ぶりに区間新記録を更新する終盤の激走でトップを独走した。2位に10分51秒以上の大差をつけたのは34年ぶりという圧勝劇。今季は大学駅伝無冠ながら、16人全員が1万メートル28分台選手という「パワフル世代」が歴代最強を証明した。

 いつもの「パワフル」な青学大が箱根路に戻ってきた。2分37秒の貯金を持って復路をスタート。相手は順大でも駒大でもなかった。当分破られないと思われた20年に樹立した大会新記録だ。2年連続アンカーを務めた中倉は“2年前の青学”と17秒差でたすきを受けると、いとも簡単に抜き去る。「今年はうれしい形でゴールを切れて良かった」と笑顔でフィニッシュ。自ら発令した「パワフル大作戦」の完遂を見届けた原晋監督(54)も「パワフル大作戦、大成功です!」と絶叫した。

 終盤区間にパワフルさが凝縮されていた。9区(23・1キロ)で14年ぶりに区間記録を更新した中村は、前回エース区間の2区で1時間8分29秒の区間14位。「2区はトラウマもある、裏の9区を走りたいと思った」と自虐的だったが、その足取りは自信たっぷりに区間新を狙っていた。裏エース区間を難なく攻略し「前回はふがいない走りだったが、箱根を走りたい気持ちが今回の記録につながった」と力を込めた。アンカー中倉も「中村が区間新なので負けられない気持ち」と爆走。他校につけ入る隙を与えなかった。

 昨季無冠のチームをパワフルに導いたのは、やっぱり原監督だった。昨年11月の全日本大学駅伝。本来ハイペースで押していくタイプのアンカー・飯田貴之主将に「ラスト勝負」と指示を送る采配ミスをした。試合後2人で話し合い「迷ったときは攻めよう。人生においても迷ったら攻める、というのが青学大の合言葉になった」。

 前日のレース後には「大会新記録」を目標に設定。復路の選手は守りに入らずに攻めた。指揮官は「9、10区は安全にレースを進めることも考えられたが、学生自ら区間新を狙うと積極的にやってくれた。パワフルな攻めのレースをしてくれました」と絶賛した。

 ここから再び連勝街道はスタートするのか。原監督は「出場した選手が称賛を浴びているが、部員は陰で努力している。ほんのわずかの差で出場を逃した補欠選手とはレベルは変わらない」と圧倒的な選手層を自慢げに語った。守りに入らず、常に攻め続ける。王者のビクトリーロードは遠くまで視界良好だ。

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