【箱根駅伝】金哲彦氏 大エースいなくても“準エース級”16人そろう青学大圧勝は必然

[ 2022年1月4日 05:30 ]

第98回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2022年1月3日    神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間、109・6キロ )

優勝のゴールテープを切った青学大10区・中倉(手前)を出迎える原監督(右)と選手たち(撮影・尾崎 有希)
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 【金哲彦の目】青学大の強さは想像以上だった。駒大の田沢のような大エースはいなくても、控えも含めて準エースクラスが16人もそろうチームは他にはない。7、8区の岸本と佐藤は恐らく想定していたよりも良くなかったはずだが、ほぼリスクがなくなった9、10区では思い切り走らせたら2人とも圧巻の区間新。今回はどうやっても負けないチームだったということだろう。

 原監督が導入した青学大の代名詞でもあるコア(体幹)トレーニングの目的は、体をいかにうまく使って長距離を走るかということ。後半にペースが落ちるのは足に乳酸がたまるのに加え、上半身がぶれてもがくような走りになってしまうからだ。そうならないためには前半から肩の力を抜き、肩甲骨を浮かしながら体の軸をぶらさないようにずっといいフォームで走り続けることが大切で、今の選手たちは4連覇の頃の試行錯誤を経て確立されたシステムの中で着々と成果を上げている。そこにさらに厚底シューズに対応するコアトレーニングが加わり、足へのダメージが減ったことで終盤になってもペースが落ちなくなった。今回の総合新記録は1キロに換算すると2分57秒台になる。217キロをこのペースで走り抜いたのだから驚異的だ。

 メンタル面で言えば昨年4位に転落し、全日本でも負け、追われる立場から追う立場になったことも大きかった。連覇の重圧があった駒大が、故障上がりで100%ではない鈴木を8区に使わざるを得なかったのとは対照的だった。(駅伝マラソン解説者)

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2022年1月4日のニュース