アメフト関学大、ラン!ラン!ラン!ラン!全4TDをランで奪取、宿敵・立命大撃破し甲子園ボウル切符

[ 2021年12月6日 05:30 ]

甲子園ボウル西日本代表校出場決定トーナメント決勝   関学大34―24立命大 ( 2021年12月5日    ヨドコウ桜スタジアム )

<関学大・立命大>第3Q、立命大ディフェンス翻ろうしてビッグゲインを見せる関学大・前田公昭(撮影・北條 貴史)
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 関学大(関西1位)が立命大(関西2位)との打ち合いを制し、6年連続55度目の甲子園ボウル出場を決めた。17―0から追い上げられながら、こだわりのランで全4TDを奪取。リベンジに燃える宿敵を返り討ちにした。関学大は「毎日甲子園ボウル」(19日)で、この日、東日本代表に決まった法大(関東)と9年ぶりに激突。4年連続学生日本一の称号を狙う。

 受けて立つ王者ではない。常にチャレンジし、攻める姿勢を忘れない。6年連続の甲子園ボウル切符。聖地に帰還する関学大は、進化する集団だった。

 「オフェンスは立命戦でやったことない、ラン、ラン、ランで挑戦しよう、と。前半は、特にうまくいった」

 表情を変えず、大村和輝監督がポイントを挙げた。前田、斎藤の両RBが縦横無尽に相手守備陣を切り裂く。前回の対戦(11月14日)でも効果的だったワイルドキャット(QBを置かない陣形)から第1Q2分45秒に前田が先制TD。選手が考案し、首脳陣が宿敵撃破のために練り上げたプレーだった。

 「立命との試合になると、これまで全然ランが出せなかった。どうやったら進むのか、じっくり考えた」

 振り返った前田にとって、スタートは1年前。エースQB奥野が抜けたオフェンスのリーダーになった時から決戦の準備は始まっていた。週6日のジム通いで体幹を鍛え、倒れない走りを手に入れる一方、プレーを最後までやり切る重要性を説いてきた。17―10と追い上げられた直後の第3Q3分35秒に2本目のTD。「ランで勝つと言ってきて、それを体現できて良かった」。今季全5試合で確実に2TD奪ってきた背番号26は、最強のフィニッシャーになった。

 そして、打ち合いの中で見せたメンタルの強さも見逃せない。17―0から第3Qに猛追され、一時7点差に。勢いを失ったかに見えた。ただ、指揮官は、多くの指導者が重視する「モメンタム」(流れ)の存在を否定する。「それは自分たちで勝手に思うだけで、関係ないでしょう」。就任2年目の信念は、選手にも浸透していた。

 懐の深さも見せた快勝劇。全学年で甲子園の土を踏む前田が、学生日本一へ向けて意気込んだ。「法大は強いと思うけど、こっちの方がしんどいトーナメントを戦ってきた。負けません」。聖地に立つ時、関学大はもっと今より強くなる。(堀田 和昭)

 《立命大、ターンオーバーが重く響く》立命大4年生QB野沢は「誰が見ても分かるミスは全て痛いし、それが敗因です」と自らも犯したファンブルやインターセプトを悔やんだ。11月14日に行われた順位決定の関学大戦で右肩を負傷。その影響もあり先発を2年生QB宇野に譲った。「1年間エースでいられなかった。(宇野に)しんどい思いをさせた」。後輩がインターセプトを食らうなど、つまずいた後の出番ではパス34回中24回成功させ、392ヤードを稼いだ。攻撃をけん引したものの、第1Qの14点のビハインドが重く響いた。

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