藤田寛之「悔しい」賞金シード23季連続で途切れる 手島多一は3季ぶりの復活シードへ68チャージ 

[ 2021年11月26日 20:23 ]

<カシオワールドOP第2日>賞金シード落ちとなった藤田寛之はスコアを記入する(撮影・井垣 忠夫)
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 男子ゴルフのカシオ・ワールド・オープン(賞金総額1億5000万円、優勝賞金3000万円)は26日、高知県芸西村のKochi黒潮CC(7335ヤード、パー72)で第2ラウンドを行った。

 首位に6打差の28位からスタートした手島多一(53=ミズノ)が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算6アンダーの16位に浮上した。今季の賞金ランキングは賞金シード当落線上の65位にいる小鯛竜也(31=フリー)と約330万円の76位。3季ぶりの復活シードへ最低条件となる単独12位へあと一歩のところまで迫ってきた。

 首位スタートの堀川未来夢(28=Wave Energy)が通算15アンダーで首位を守っている。

 賞金シード当落線上の選手にはこの試合が今季最終戦。生き残りへ第一関門となる予選2日間を終え、実に19人もの選手の賞金シード陥落が確定した。次々に突きつけられていく最終戦ならではの厳しい現実。そんな中、プロ28年目の超ベテラン手島が額に汗しながら踏ん張っている。

 「予選通りましたよ。ショットが安定してたからもうちょっといきたかったんですけどね」

 序盤の3番で3パットし、ボギーが先行。予選落ちも頭をよぎったが、7番から一気の4連続バーディーで息を吹き返した。実測182ヤードの8番パー3では右からの向かい風を利用しながら6Iでピン手前1・5メートルに運ぶ技ありの一打を披露した。

 先週のダンロップ・フェニックスでは初日に67をマークし、4アンダー、11位の好スタートを切ったはずだったが、アテスト終了後にスコア誤記で失格した。昨年のダンロップ・フェニックスでも2日目に同じスコア誤記で失格。同じてつは踏むまいと何度もスコアカードを見返したはずだったが、とんだところに落とし穴が待っていた。

 今週はこの痛恨の失敗を「僕にとってはここ(アテスト場)が最難関」と“自虐ネタ”に替え、ベテランらしく気持ちを切り替えて奮戦。この日は「トム・ワトソン(ゴルフコース)のことした考えてませんよ。まだ」と既に練習ラウンドを終えている2週後のツアー最終予選会の会場名を口にしたが、室田淳の59歳に次ぐ53歳での復活シードは目前。生涯獲得賞金25位以内の資格でツアーに出場している手島が賞金シード選手に返り咲けば、この資格を再度行使することが可能になり、実質2シーズン先までのシード権が保証されることになる。今後の生活権を懸け、是が非でももう一度手に入れたい賞金シードとなる。

 一方、85位からスタートした出た賞金ランキング70位・藤田寛之(52=葛城GC)は73とスコアを落とし、通算2オーバーの99位で予選落ち。年またぎとなった長丁場の今シーズン。ショットの調子が思うように上がらず、1997年から守り続けてきた賞金シードは23季連続で途切れてしまった。

 「賞金シードはツアープロの勲章。そのバッジがいただけないのは悔しいし、情けない思いはありますけど、このカシオだって簡単に出られる大会じゃない。そういう時代もあったことを考えるとよく頑張ったとも思います」

 下積み時代から年齢的な衰えを感じるようになったここ数年までをゆっくりと思い返しながらしんみり。予選2日間は同じ芹沢信雄門下の宮本勝昌(49=ハートンホテル)と同組。その宮本から最終18番グリーン上で「後半ずっと泣きそうでした」とハグを求められ、ジーンとくる場面もあった。

 2週後のツアー最終予選会には行かず、生涯獲得賞金25位以内の資格で来季もレギュラーツアーを主戦場に戦う。

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2021年11月26日のニュース