14歳・山田美幸が銀メダル 100背に続き50メートル背泳ぎで2つ目 レジェンドからの手紙に勇気

[ 2021年9月2日 19:06 ]

東京パラリンピック第10日・競泳女子50メートル背泳ぎ(運動機能障がいS2)決勝 ( 2021年9月2日    東京アクアティクスセンター )

<女子50メートル背泳ぎ 運動機能障がいS2> 今大会2個目の銀メダルを獲得し笑みがこぼれる山田(撮影・光山 貴大)
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 女子50メートル背泳ぎ(運動機能障がいS2)決勝が行われ、今大会日本選手団最年少の14歳、山田美幸(WS新潟)が1分6秒98で銀メダルを獲得した。今大会の日本勢メダル第1号となった100メートル背泳ぎの銀に続き、自身2個目のメダルを獲得した。

 パラリンピックの日本史上最年少メダリストとなった8月25日から中1週間。体をゆっくり休めるとともに、課題のスタート練習に時間を費やしてこの種目に備えた。首を下へ向けすぎると背中が丸まって抵抗ができるため、下を向きすぎないように意識しているという。一方、この日午前の予選では全体2位通過したものの、自己ベストから約4秒遅い1分9秒44。緊張のあまり右脚を意識して使うことができず、「タイムには納得がいってない」と浮かない表情を見せていた。

 100メートル背泳ぎの前には、パラリンピック6度の出場で金15個を含む計20個のメダルを獲得してきた51歳の成田真由美から手紙をもらった。「楽しんでね」と書かれた言葉を胸に刻んで初の大舞台に挑み、見事に銀メダルを獲得した。手紙はこの日の朝にも読み返し、「力が湧いた」という。今大会が集大成となった「水の女王」からバトンを受け継いだ14歳が、今後のパラ競泳女子ニッポンを引っ張っていく。

 ▼山田美幸 予選よりも気持ちよく泳げました。アドレナリンがドバドバで。(入場時に一礼した気持ちは)これで東京パラリンピックは最後のレースということで、プールに泳がせていただきますと挨拶をしました。初めてのパラリンピックでとても緊張したんですけど、皆さんの期待に応えられたかなと思っていて、とてもうれしいです。

 ◇山田 美幸(やまだ・みゆき)

 ☆生まれ 2006年(平18)9月15日生まれ、新潟県阿賀野市出身の14歳。1メートル40、33キロ。阿賀野市立京ケ瀬中3年生。

 ☆飛躍 20年2月にメルボルンで国際大会に出場し、背泳ぎのクラス分けがS3から障がいの程度が重いS2に変更。急速なタイム短縮もあってトップ選手の仲間入りし、同年11月の国内記録会50メートル背泳ぎで19年世界選手権2位相当の好記録。

 ☆美幸 小学校の課題で由来を調べ「美しい幸せを手に入れてほしい。美しくなってほしい」という願いに加えて「(漢字が)線対称だから」と確認。

 ☆英語 「人と話すのが好き。日本人だけでなく、海外のいろんな人とも話したい」と英語スピーチに挑戦。

 ☆リフレッシュ マインクラフトなどゲーム実況の動画を観賞。

 ☆受験 得意科目は英語で、暗記系や国語が苦手。「ゲームなどの誘惑にあらがいながら頑張っています」

 ☆座右の銘 「無欲は怠惰の基である」

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