鈴木孝幸、50M自由形銀に「スタート滑って、しまったなと」 失敗も粘りで出場全5種目メダル達成

[ 2021年9月2日 19:59 ]

東京パラリンピック第10日 競泳男子50メートル自由形(運動機能障がいS4)決勝 ( 2021年9月2日    東京アクアティクスセンター )

<男子50メートル自由形 運動機能障がいS4> 今大会5個目のメダルとなる銀メダルを獲得した鈴木  (撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 競泳の男子50メートル自由形(運動機能障がいS4)決勝が2日に行われ、鈴木孝幸(34=ゴールドウイン)が37秒70で銀メダルを獲得した。100メートル自由形の金、200メートル自由形の銀、50メートル平泳ぎと150メートル個人メドレーの銅と合わせて今大会5つ目のメダルとなった。

 目標の「出場5種目メダル」を達成した。午前中の予選では38秒25の全体トップで通過。「(決勝では)前半しっかりとリズム、スピードに乗って、後半キープできたら。悔いのないように泳ぎ切りたい」と話した通り、力強い泳ぎで金メダルを狙ったが、わずかに届かなかった。

 「金メダルを獲りたかったのが正直なところなので、悔しいのもありますが、でも、全種目メダルとれたので、そこの目標を達成できたというのはうれしく思います」と鈴木。「正直言うと、スタートが滑ってしまったので、しまったなと飛び込んだ時に思ったんですけど、あきらめずに、全力で泳ごうと思った」と明かした。「スタートで失敗した割には、そのあとの伸びが良かったのかなと泳いでいて思った」と前を向いた。

 今大会10レースを泳ぎ切った鈴木は「考えると疲れてくるので、考えないように」と笑った。鈴木のメダルは通算10個となった。26日の100メートル自由形で今大会日本選手金メダル1号となり、菅義偉首相から電話で祝福を受けたが、最後まで集中力を保った。パラ競泳の日本代表選手団の主将が、その背中で、結果で、競泳陣を引っ張った。

 ◇鈴木 孝幸(すずき・たかゆき)1987年(昭62)1月23日生まれ、静岡県浜松市出身の34歳。先天性四肢欠損。6歳から水泳を習い始め、高校から競技を本格化。高3で17歳だった04年アテネ大会でパラ初出場を果たし、200メートルメドレーリレーで銀メダル。08年北京大会で50メートル平泳ぎ金。12年ロンドン大会でもメダルを獲得し、今回で5大会連続出場。

続きを表示

この記事のフォト

2021年9月2日のニュース