車いすバスケ男子 初の4強、20得点の香西「なんか、凄いことに」 世間からの注目増を実感した出来事

[ 2021年9月2日 05:30 ]

東京パラリンピック第9日 車いすバスケ男子決勝トーナメント   日本61―55オーストラリア ( 2021年9月1日    有明アリーナ )

<準々決勝 日本・オーストラリア>第2クオーター、相手と競り合いながらシュートを決める香西 (撮影・光山 貴大)
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 初のメダル獲得を狙う日本は準々決勝で、18年世界選手権3位のオーストラリアを61―55で下し、12度目の出場で初の4強入りを果たした。33歳の香西宏昭(こうざい・ひろあき=NO EXCUSE)が両軍最多20得点の活躍。ベテランがコートを縦横無尽に駆け回った。次戦は3日の準決勝で前回銅メダルの英国と戦う。

 流れを引き寄せたのは途中出場の香西だった。第1Qは14―14と互角の展開。第2Qはオーストラリアの得点からスタートしたが、すぐさま香西が3点シュートを決めて逆転し、主導権を握った。終盤は一時、2点差まで詰め寄られたが、必死のディフェンスで相手攻撃を阻止。「粘ることができたのは良かった」と安どの表情を見せた。

 歴史的な勝利だが、試合後の香西は冷静だった。「勝てたことは自分もチームも自信になるが、まだ実感が湧いていない」。ミックスゾーンで率直な心境を語った。一方で、世間からの注目が増していることは、しっかりと実感している。「(SNSの)フォロワーがどんどん増えている。なんか、凄いことになってるんだろうな、と。メッセージもいただいているし、離れていた中学校の同級生からも連絡がきた。見てくれているんだなと感じる。有り難い」。思わず、笑みがこぼれた。

 悲願の表彰台へ、一歩前進した。3日の準決勝は、16年リオ大会銅メダルの英国と顔を合わせる。「手ごわい相手だろうなと覚悟している」というが、負けるつもりはない。「自分たちのバスケがうまくいったら、いけるんじゃないかなって思ってる」。4大会連続出場のベテランが、勝利へ導く。

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2021年9月2日のニュース