金メダルのウルフ・アロン 00年シドニー・井上康生以来の同級金メダル「僕自身が取り戻してやろうと」

[ 2021年7月29日 19:31 ]

東京五輪第7日 柔道男子100キロ級 ( 2021年7月29日    日本武道館 )

<東京五輪 柔道男子100キロ決勝>金メダルを獲得し、天を見上げて涙のウルフ・アロン(撮影・北條 貴史)
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 柔道男子100キロ級のウルフ・アロン(25=了徳寺大職)が、決勝でチョ・グハム(韓国)を破り、五輪初出場で悲願の金メダルを獲得した。同階級では日本男子監督を務める井上康生が制した2000年シドニー五輪以来となる金メダル。伝統の階級で、5大会ぶりに日本勢が表彰台の真ん中に立った。

 「井上先生が獲ってから、20年間金メダルがない階級だったので、僕自身が取り戻してやろうという気持ちで戦った。まだ実感はないが、最高です」

 優勝インタビューでは、涙をこらえながら、喜んだ。絶対に金メダルを日本に「取り戻す」と決意して臨んだ決勝だった。そして、得意の時間帯で試合を決めた。延長戦に強く、体力も集中力も保てることから延長戦は「ウルフタイム」と称される。本戦では勝負がつかなかったが、延長戦に入ると攻勢。そして9分35秒に大内刈りで一本勝ちを決めて、金メダルを獲得した。「僕の持ち味は、ああいう泥臭い柔道なので、最後まで(攻める気持ちを)貫いて勝つことができてよかったです」。そして、分の悪い相手にも完勝し、「練習量だけは誰にも負けない自信があったので、接戦になればなるほど、持ち味が出てくると信じて、戦った」と胸を張った。

 ここまで順調に勝ち上がった。初戦の2回戦ではフラモフ(ウズベキスタン)に対して、1分23秒に浮技で一本勝ち。さらに準々決勝でもパルチク(イスラエル)から3分28秒に大内刈りで技ありを奪い、優勢勝ち。最大のライバルとみられていた準決勝の第1シード・リパルテリアニ(ジョージア)に対しても2分41秒に大内刈で技あり。最後まで激しい攻防が続いたが、優勢勝ちとなった。

 試合内容に関しては「試合に勝てればいいと考えていた。どういう結果でも勝てればいいなと思った」と技にはこだわらなかったが、柔道の聖地・日本武道館での勝利には、やはり思いが違う。「子供のころから、たくさんの大会をここでやってきて、東京五輪でも優勝できて、とても感慨深いですし、支えてくれた家族、付き人、応援してくれた全ての人に感謝したいです」と思いを語った。

 右膝関節炎および関節水腫のため20年の全日本選手権を欠場するなど苦しい時期もあった。それでも「膝が悪いところもあったが、リハビリもしっかりしていたし、自分自身を信じるだけでした」と気持ちで負けずに頂点に立った。

 ◆ウルフ・アロン 1996年(平8)2月25日生まれ、東京都出身の25歳。6歳で柔道を始め、千葉・東海大浦安高―東海大。15、16年の講道館杯100キロ級連覇。世界選手権は17年優勝、18年5位、19年銅メダル。19年は体重無差別の全日本選手権で初優勝した。了徳寺大職。左組み。得意技は大内刈り、内股。東京五輪男子100キロ級代表。父が米国出身。1メートル81。

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