“寝技の女王”浜田尚里 ルール改正が追い風に!かつては「サンボ」も制覇、“柔道&柔術の女王”になった

[ 2021年7月29日 19:55 ]

東京五輪第7日 柔道女子78キロ級 ( 2021年7月29日    日本武道館 )

<東京五輪 柔道 女子78ロ級準決勝>得意の寝技に持ち込み一本勝ちで金メダルを獲得した浜田尚里(撮影・北條 貴史)
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 柔道女子78キロ級代表の浜田尚里(30=自衛隊)が、見事に金メダルを獲得した。決勝までの4試合は、全て寝技での勝利。自らの特長を出した結果、世界の頂点に立った。

 「(決勝の相手であるマロンガに)いつも負けていた相手だったので、同じやられ方をしないようにした。得意の寝技で勝ててよかったです。(寝技は)狙っていました。寝技で勝ち上がれたので、よかったと思います」

 “寝技の女王”“寝技師”と呼ばれる浜田は自分の土俵に引き込めば世界最強。五輪代表を決めた昨年2月の柔道グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会では5試合のうち4試合を寝技で勝利するなどオール一本で優勝。浜田にとってリオ五輪後、国際柔道連盟のルール改正で、審判が寝技をより長く見てくれることになったのは大きい。女子日本代表の増地克之監督は「常に動き続ける技術とスタミナが特長。審判が浜田の寝技を見るところにつながっている。浜田の寝技は分かっていても決まる」と高く評価していた。

 柔道強化のために取り組んだ「サンボ」もいきている。ソビエト連邦で開発された軍隊格闘技でもある「サンボ」では、14年に世界選手権を制覇。立ち技も寝技も強化し、今の浜田がある。これで柔道&柔術の“女王”になったともいえる。

 今年1月のマスターズ大会では膝を負傷し心配の声もあったが、順調な回復を見せ、五輪前の大会では優勝を飾るなど順調な調整で本番に臨んだ。柔道界で30歳にして初五輪出場は29歳で出場した12年のロンドン五輪63キロ級の上野順恵(現代表コーチ)を抜き日本歴代最遅ながら見事な健闘だった。

 ◆浜田 尚里(はまだ・しょうり)1990年(平2)9月25日生まれ、鹿児島県出身の30歳。10歳で柔道を始め、国分南中―鹿児島南高―山梨学院大を経て13年4月に自衛隊入り。柔道と並行して行っていたサンボでは14年世界選手権80キロ級で優勝。柔道では17年12月のグランドスラム(GS)東京大会でGS初優勝、世界選手権は18年優勝、19年準優勝。1メートル67。右組み。得意技は寝技。

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