バスケ男子代表 フランスから大金星、八村がチーム最多19点 五輪前ラスト実戦で弾み

[ 2021年7月19日 05:30 ]

バスケットボール男子国際強化試合   日本81―75フランス ( 2021年7月18日    さいたま市・サイデン化学アリーナ )

<日本・フランス>第2クオーター、3点シュートを決めて指を立てる八村
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 東京五輪に出場する日本代表(世界ランク42位)が格上のフランス(同7位)に81―75で競り勝った。八村塁(23=ウィザーズ)が28分57秒出場で19得点7リバウンド、渡辺雄太(26=ラプターズ)は29分44秒出場で18得点9リバウンドとNBAコンビが躍動。五輪前最後の対外試合で金星を挙げ、本番に弾みをつけた。五輪は1次リーグC組に入り、26日にスペイン(同2位)、29日にスロベニア(同16位)、8月1日にアルゼンチン(同4位)と対戦する。

 金星後のロッカールーム。日本代表には羽目を外して喜ぶ選手はなく、浮かれた雰囲気もなかった。渡辺雄主将は「勝って自信にしていい部分はあるが、調子に乗ってはいけない。フランスのコンディション不良もあったと思う」と戒めた。19年W杯は直前の強化試合で格上ドイツ(当時世界ランク22位)を撃破したが、肝心の本番は5戦全敗。2年前の教訓もあり、比江島は「フランスに勝っても皆冷静で、勝って当たり前のような雰囲気だった」と明かした。

 NBA選手5人を擁する19年W杯3位の強豪に、ひるむことなくぶつかった。身長2メートル16のゴベール(ジャズ)には何度もダンクを叩き込まれたが、平均身長で約4センチ上回る相手に体を当てて必死に応戦。激しく粘り強い守備でミスを誘った。八村は得意のミドルシュートなどで得点を重ねて前半だけで14得点を記録し「ディフェンスが良かったので、それが勝利につながった」と強調。渡辺雄も開始1分47秒に3点シュートを決めるなど得点を重ねた。

 前半は完璧な内容でチームのターンオーバーが1回もなく、16点リード。後半は追い上げを許して第4Qで一時同点とされたが、振り切った。課題のリバウンド数は34対37と僅差。オフェンスリバウンドは11対11と対等に渡り合い、ラマス監督は「完璧な内容で満足している。リバウンドもオフェンスも機能していた。フランスにこれだけの試合ができたのは本当に驚いている」と振り返った。

 フランスには過去2戦2敗。直近の対戦は16年6月で74―91の完敗だった。当時を知る渡辺雄は「5年前は完全に遊ばれ、相手にされていないと感じた。この5年間で日本のバスケが大きく変わってきていると感じた」と手応え。八村は「まだ課題はある。修正して五輪に行きたい」と視線を上げた。格上撃破で自信を得たが、慢心はない。五輪本番で本当のサプライズを起こすまで、歓喜に酔うことはない。

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