関西学生アメフットの新しい「顔」 関学大QB鎌田と立命大RB山嵜が秋の「収穫」へ意欲示す

[ 2021年7月19日 05:30 ]

関学大のQB鎌田陽大
Photo By スポニチ

 関西学生アメリカンフットボールリーグの春季シーズンが18日、終了した。新型コロナウイルス感染拡大のため、4月25日から6月5日まで中断を強いられたものの、連盟と加盟校の努力もあって再開。全試合中止された1年前と違い、「With コロナ」を体現し、30試合以上を消化できた意味は大きい。2年ぶりのリーグ戦復活を目指す秋へ。今季も学生フットボール界をリードする関学大、立命大の新しい「顔」を紹介する。(堀田 和昭)

 関学大のスクリメージラインで、背番号「15」の放つ存在感は強烈だ。エースQBとして期待される鎌田陽大(2年、追手門学院高)は1メートル82、82キロ。近年のKGで、これほどの大型司令塔は珍しい。相手に脅威となるサイズに加え、最大の武器は、その肩だ。「球を投げられるQB。経験がついて、レシーバーとのコンビネーションが向上すれば、十分にやっていける」。就任2年目の大村和輝監督も、潜在能力を高く評価する。雷接近のため、第3Q途中で打ち切られた関大戦(11日、王子スタジアム)。65ヤードを投げられる「大砲肩」で、鎌田は何度も関大DB陣を慌てさせた。

 「4年生の方が心を落ち着かせてくれて、いいプレーができているのかな、と感じます。関学大は勝つべくして勝つチーム。いい意味でプレッシャーを感じながらやっていきたい」

 昨年までのエースQB奥野耕世も、スターターの座を奪ったのは2年生。もちろん、人間として尊敬し、プレーヤーとして目標に置く。

 「奥野さんは何でもこなせて、全体を見てプレーできる、すごい人だった。そうなれるように、秋までに徹底してやりたい」

 正QBへ最短距離にいる鎌田と違い、立命大RB山嵜大央(だいち、大産大付)は、まだ1年生。昨年の故障が完治し、ようやく6月の声とともに全体練習に加わったばかりだ。ただ、備える資質に疑いはない。17日の長浜ひょうたんボウル、龍谷大戦(神照運動公園)。わずか数プレーの出場ながら、高校時代に40ヤード4秒6を計時したスピードでゲインを稼いだ。加えて本人が自信を持つパワー。そして井上周、西村七斗、昨年の主将を務めた立川玄明と、近年の立命大エースランナーを輩出してきた大産大付出身の系譜を継ぐ正統派RBだ。同校の「名伯楽」山嵜隆夫監督は、山嵜のおじ。「アメフトの神様が見ている」の教えは、ひと時も忘れたことがない。

 「大学では、タックル、フィジカルで、まだ通用しない部分がある。これからウエートトレーニングで徹底的に鍛えて、関学大を倒して、立命大が甲子園ボウルに行けるようにしたい」

 確実に変わりつつある強豪2校の「風景」。全力で戦える「秋」を信じて、それぞれが自分を高める夏を過ごす。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月19日のニュース