為末大さん 6連続投稿でアスリートの思い代弁「アマ選手には五輪しかない…ただただ選手の心が心配」

[ 2021年5月7日 22:39 ]

元陸上選手の為末大さん
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 陸上男子400メートル障害の世界選手権銅メダリストで五輪に3度出場した為末大さん(43)が7日、自身のツイッターを更新。新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言延長が決まり、東京五輪開催への懐疑論が高まっていることを受けて、アスリートとしての考えを記した。

 この日、白血病から復帰して競泳東京五輪代表に内定した池江璃花子(20=ルネサンス)が自身のツイッターで「やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています」などと五輪への思いを吐露した。為末さんは、池江の一連の投稿をリツイートした後、自身の意見を表明。「アスリートやその他の表現者の方も含め様々な方々が自分の夢に向かって一生懸命頑張っていることは何一つ咎められるようなことでもなく素晴らしいことで、それで勇気をもらう人もたくさんいると思います。ただその舞台を行うかどうかはまた別の話で冷静に判断することになりますが、それは別の話です」と書き出した。

 為末さんは選手時代に大きな重圧を感じた経験を振り返り、「一年以上引っ張っている選手たちのプレッシャーは想像もできません」と五輪が1年延期されたことで選手たちは計り知れない重圧を背負っていることに言及。「中止と言われるまではアスリートは全く疑いなくその日が来るという前提で練習するしかないのです」とし、「私は本当に選手は厳しい状況に立たされていると思っていて、日々の練習をしているだけでも苦しさが伝わってきます」と現役アスリートの心中を推し量った。

 コロナ禍の中、東京五輪中止を求める声も高まっているが、為末さんは「五輪にいろんな思いをみなさんお持ちだと思いますが、アマチュア選手にとっては五輪しかないんです。その為に人生のほとんどを費やしてきているわけですから。最後の一年で大変なことになったからと言って、急に嫌いになってどうでもいいと思うことなんてできないんです」と五輪を前にした選手たちの思いを代弁。最後に「どうかご理解いただきますようお願いします。私はただただ選手の心が心配です。私だったら耐えられていないかもしれません」とつづり、6連続投稿を締めくくった。

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2021年5月7日のニュース