NTTドコモ 負けてもプレーもトークも“TJ劇場” 神鋼スミスをイジる

[ 2021年4月10日 17:45 ]

ラグビー・トップリーグ1次リーグ最終節ホワイトカンファレンス   NTTドコモ29―31神戸製鋼 ( 2021年4月10日    花園 )

NTTドコモのSHペレナラ(右)
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 ラスト1プレーで神戸製鋼に3点リードを逆転されたNTTドコモは、新加入のSH、TJ・ペレナラ(29)がずば抜けた能力を見せた。特に守備が圧巻。前半に2度、神鋼CTBベン・スミス(34)のトライを、ギリギリのところで防いだ。

 その場面を振り返り、「(スミスが)若かったらトライしたんじゃない?」と、開口一番、ニュージーランド代表で長く一緒に戦った仲間をイジったが、プレースタイルを熟知しているからこそできたスーパープレーだった。

 「トライを防いだところも、狙っていたのは分かっていたぞ、(スミスに)と言ったんだ。彼はラック周りをうかがっている。そこを対応しようと思っていた」

 止めた2本は同じような状況だった。ゴール前、密集に近くでスミスが抜けたところを、横からカバーに入り、地面に抑えさせなかった。

 スミスもやり返した。後半4分、右サイドを崩された後、急いで戻り、突破したペレナラの決定的なパスを防いだ。オールブラックス69キャップのペレナラと、84キャップのスミスの見応えある攻防だった。

 NTTドコモのペレナラの好パフォーマンスはまだある。前半早々には、神鋼のWTB山下楽の突破を単騎で止め、決定機を握りつぶした。同終了間際には自陣ゴール前の大ピンチでジャッカル。攻めても、前半13分にスクラムからの1次アタックでチーム最初のトライを挙げて通算6トライ。ハイパントでWTBマカゾレ・マピンピ(30)をうまく走らせ、ゲームキャプテンとしてもPGで着実に得点を重ねるゲーム運びが光った。あと1プレーを耐えていれば、“TJ劇場”が完結するはずだった。

 4勝3敗の3位で決勝トーナメントへ進む。「それは誇らしいが、勝てる試合を落としている。最後のもう1歩のところを治せば、どのチームにも勝てる。丁寧にやっていきたい」。昨季0―97で負けた相手に、勝つ寸前まで行った。それでも、満足などどこにもなかった。

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2021年4月10日のニュース