福島商 3年生の力で県勢8年ぶり16強、攻めのバレーでフルセット制した

[ 2021年1月7日 05:30 ]

バレーボール 第73回全日本高校選手権 男子2回戦   福島商2-1鹿児島商 ( 2021年1月6日    東京体育館 )

<鹿児島商・福島商>試合に勝利し、叫ぶ高橋(手前)ら福島商のメンバー
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 第73回全日本バレーボール高校選手権大会「春高バレー」が6日、東京体育館で2回戦が行われた。男子の福島商は鹿児島商を2―1で破り、福島県勢として8年ぶりに16強に進出した。1―1の第3セットにセッター・丹治嵩主将(3年)を中心に攻めのバレーを展開し、フルセットの熱戦を制した。7日は3回戦などが行われ、福島商は駿台学園(東京)と対戦する。

 羽田の強烈なスパイクが決まり、最後のトスを上げた丹治主将はコートに膝を突いて大きくガッツポーズを見せた。5日の春高初勝利に続き、14年に準優勝した鹿児島商を破り、たぐり寄せた栄光の8強。丹治主将は「全員でつかんだ1勝です。全員で立て直すことができた」と納得の表情だった。

 運命の第3セット。「第2セットは守りに入ってしまった」と福島商は攻めのバレーを展開。丹治主将は時間差だけでなく、クイックも取り入れながら攻撃の種類を増やした。スパイクもきれいに決めるのではなく、豪快に振り抜くことを意識。春高前に徹底して練習したブロックもうまくいき、総合力で白星をつかんだ。最大点差が「3」と意地のぶつかり合いを制し、丹治主将は「強気で向かっていく気持ちを試合中につくれた」と胸を張った。

 3年生全員の力が結集した。第3セット、17―18の試合終盤で鈴木雅広監督(55)は勝負に出た。ピンチサーバーに高校3年間で公式戦初出場のサウスポー・佐藤海月(3年)をジョーカー起用。佐藤海は緩いサーブで相手を苦しめ、これまで追いかける展開だったが、第3セットで初めて19―18とリードした。丹治主将は、「この3年間、マネジャー含め10人で苦しさを味わってきた。3年生で勝利をもぎとりたかった」と少しでも佐藤をコートに立たせるために福島商が一体となった。

 今大会9人の3年生を全員起用し、勝利を収めた福島商。7日は、昨年準優勝したの駿台学園(東京)と戦う。一筋縄ではいかない相手だが、丹治主将は「チームの士気は高まっている。良い状態の中で臨むことができる。出し切りたい」と意気込んだ。勢いに乗る福島商が大金星を狙う。

 ≪エース羽田が試合決めた≫羽田汐音(3年)がエースの意地を見せた。第3セットでは、丹治主将に「どんなボールでも俺に上げろ」と要求。24―23の場面では強烈なスパイクを叩き込み、試合を決めた。「(鈴木監督にも)おまえに任せると言われていた。最後まで諦めないプレーができた」と自画自賛のプレーだった。駿台学園戦では、「オフェンスの全てに関わる。エースらしくありたい」と誓った。

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