東京五輪 21年も開催危機、世界でコロナ感染爆発 7日緊急事態宣言再発令

[ 2021年1月7日 05:30 ]

新型コロナウイルス感染者が多い国とリオ五輪メダル獲得数上位
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 政府は7日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京など首都圏の1都3県に緊急事態宣言の再発令を決定する。実施期間は8日から2月7日までの1カ月間となる見通し。また、6日の新規感染者は東京都が1591人、全国が6004人と、いずれも過去最多を更新した。今夏の東京五輪開幕まであと、197日。加藤勝信官房長官が国内外の感染拡大が大会に影響を及ぼすと発言するなど、パラリンピックも合わせ開催は今、危機的状況にひんしている。

 東京五輪・パラリンピックへのカウントダウンとは反比例するように、国内で報告された新型コロナ感染者は初の5000人台を飛び越え、6000人を超えた。東京は昨年12月31日の1337人を更新する過去最多の1591人。再発令される緊急事態宣言の対象となる3県では千葉、埼玉も過去最多人数となった。

 加藤官房長官は6日の記者会見で、五輪・パラリンピックについて「既にやることを決めている」と緊急事態宣言は開催判断に影響を与えないとの見方を口にした。ただし、開催方式に関しては「五輪は当然、国内外の感染状況に影響を受ける」と指摘。菅義偉首相が4日の年頭会見で開催に強い意欲を示したばかりだが、通常開催が困難になる可能性を認めた形だ。加藤官房長官はまた、緊急事態宣言後も感染が収束に向かわなかった場合の対応については直接の回答を避けた。

 緊急事態宣言下では都道府県をまたぐ移動の自粛が求められ、アスリートの活動に影響が出ることは必至。昨年のように大会が軒並み中止となれば強化にも支障が出る。全世界の感染者は8647万人を超え、変異種も確認されるなど感染拡大は収まっておらず、五輪やパラリンピックの予選開催も危ぶまれる状況。大会延期への流れをつくった、海外アスリートの反発や各国から東京への選手派遣拒否も予想される。

 国、東京都、大会組織委員会はコロナ対策を講じての開催へ準備を進めてきた。だが、開幕まで200日を切った時点で最低1カ月“停滞”する影響は否めず、医療体制をさらに圧迫するような開催は国民の理解を得られない。感染状況次第では緊急事態宣言の解除も不透明。「ここで何か問題が起きれば大会本番に響く」と危ぶむ関係者もいる3月25日開始予定の聖火リレーまで、残された時間はあまりにも短い。

 無観客など規模縮小、最悪の場合は大会そのものを中止する選択肢も無視できない状況になってきている。

 ≪ワクチン接種開始も歯止めかからず≫世界的に新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。感染者数が最も多いのが米国で、約2105万人。死者数も約35万7000人に上る。昨年12月にワクチン接種を開始しているが、年が明けてからも1日あたりの新規感染者数が約30万人に迫り、過去最高を更新している。英国では、感染力がこれまでより最大70%高い可能性がある変異種が猛威を振るう。1日の新規感染者数5万人超えは今月6日で8日連続となった。首都ロンドンを含む南部イングランド全域に厳しい外出制限を課す3度目のロックダウン(都市封鎖)が実施されている。英国の変異種の影響が近隣欧州各国でも懸念される中、南アフリカでも別の変異種が確認されている。アジアでは、韓国や日本に“第3波”が襲来。一方で、ニュージーランドや台湾は厳格なロックダウン策などで感染者数が少なく封じ込めに成功している。

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