ラグビー界の“メッシ級”バレット TLに見参「開幕非常に楽しみ」

[ 2021年1月7日 05:30 ]

サントリーへの入団会見を行ったボーデン・バレット(撮影・小海途 良幹)
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 ラグビーのトップリーグ(TL)サントリーに新加入したニュージーランド代表SO/FBボーデン・バレット(29)が6日、東京都内で入団会見に臨んだ。契約は1シーズンとみられるが、フランス移籍も選択肢にあった中で日本を選んだと明言。19年W杯を含む過去6度の来日で得た日本の印象やTLのレベルを認めた世界最高のラグビープレーヤーが、いよいよ日本デビューを果たす。

 今季日本でプレーする外国人選手の中でも屈指のスターが、ついに公の場で口を開いた。「開幕が非常に楽しみ。サントリーの一員になれて光栄だし、アグレッシブ・アタッキングラグビーが自分には合っていると思う」。先月初旬に来日し、すでに練習試合2試合に出場。「ぜひ先発したい」と16日の開幕トヨタ自動車戦での10番デビューを熱望した。

 ニュージーランド協会との契約で、21年は海外でのプレーが許されたバレット。フランス行きも選択肢にあった中で、W杯を含め過去6度訪れていた日本を選んだ。同席した土田雅人シニアディレクターは「年俸はフランスの方が高かったと思う。TLでも質が落ちないことが大きいのではないか」と説明。バレットも日本のレベルを認めた上で「23年W杯に出場することが目標。さらに成長したい」と“腰掛け”ではないことを強調した。

 近年はオールブラックスでは15番でプレーする機会が多いが、本人は「一番プレーしたいのはSO」と断言する。練習試合でもSOに入り、この日のジャージープレゼンテーションでは10番が渡された。

 日本で司令塔としての技と頭脳を磨き、代表でも10番を取り戻す――。「ギリギリでプレー判断をするので、ファンには予測できないようなプレーを見てもらいたい」と真剣な表情で呼びかけた。

 サッカーに例えれば20年まで神戸製鋼にいたダン・カーターが代表引退後に来日したイニエスタなら、バレットは現役代表のメッシやC・ロナウドが来日するようなもの。「(今回は)1シーズンだけになるかもしれないが、将来的にまた日本でプレーしたい」。本気の日本愛を示したバレットが、プレーと甘いマスクで魅了する。

 【ボーデン・バレット】
 ☆生まれ 1991年5月27日生まれ、ニュージーランド・ニュープリマス出身の29歳。
 ☆サイズ 1メートル87、92キロ。
 ☆競技歴 父の勧めでラグビーを始め、8歳の時にはアイルランド留学を経験。10年に7人制でニュージーランド代表に選ばれ、11年にスーパーラグビー(SR)のハリケーンズでデビュー。12年に15人制代表デビューを果たし、W杯には15、19年大会に連続出場。通算88キャップ。16、17年世界最優秀選手。
 ☆家族 19年1月に妻ハンナさんと結婚し昨年9月に長女ビリーちゃんが誕生。きょうだいは本人を含めて8人で、うち5人が男。弟のスコット、ジョーディーもニュージーランド代表で19年W杯に3人そろって出場した。
 ☆プレースタイル ポジションはSOとFB。非常に俊足でSOでプレー時も自ら取りきる決定力を持つ。タックルにも定評がある。本人は「一番プレーしたいのはSO」。
 ☆好きな日本食 刺し身、寿司、とんこつラーメン、焼き肉。チームメートから食事に誘われているがコロナ下で「行けずに残念」。

 ≪NTTコムにはレイドロー≫今季のTLは他にも数多くの大物外国人がプレーする。初来日組ではオーストラリア代表主将のFWマイケル・フーパー(トヨタ自動車)、南アフリカ代表のWTBマカゾレ・マピンピ(NTTドコモ)、スコットランド代表前主将のSHグレイグ・レイドロー(NTTコム)が目玉。南ア代表フッカーのマルコム・マークス(クボタ)、ニュージーランド代表前主将のキアラン・リード(トヨタ自動車)は2シーズン目で、サントリーではオーストラリア代表CTBサム・ケレビとバレットとのライバル国同士のタッグが注目される。

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