帝京大が復権手応え 1年フッカー江良5トライ 大学ラグビー

[ 2020年9月21日 19:50 ]

<帝京大・東海大>練習試合でルーキーながら5トライを挙げた帝京大フッカーの江良(中央)
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 帝京大ラグビー部は21日、東京都日野市の自校グラウンドで東海大と練習試合を行い、84―7で圧勝した。3季ぶりの大学日本一奪回を目指し、10月4日の関東大学対抗戦Aグループ開幕戦では日体大と対戦する。

 今年度は新型コロナウイルスの影響で、各大学とも活動に大きな制約を受けてきた。帝京大は今回の対外試合が今年度2試合目で、東海大は初めて。調整具合に差があるとはいえ、計14トライを奪う好内容に、岩出雅之監督(62)は「チームは去年よりもいい状態。選手に気持ちが入っていた」と手応えをにじませた。

 特に気を吐いたのがフッカー江良颯、No・8奥井章仁の大阪桐蔭出身のルーキーコンビだ。江良はラインアウトで安定感抜群のスローイングを見せ、モールでの4つを含む計5トライを量産した。奥井も上級生と遜色ないフィジカルの強さを発揮し勝利に貢献。指揮官も「しっかりとしたプレーができる1年生」と評価した。

 緊急事態宣言時はほとんどの部員を実家に返していたという帝京大は、7月から全体練習を開始。「戻って来る時期がバラバラなので、少しずつ(練習強度を)上げていった」(岩出監督)といい、現在も部員数名は合流できないでいるという。それでも8月には長野県・菅平高原で約2週間の合宿を敢行。「効果があった。集中力が高まった」という鍛錬期を過ごし、実戦不足を感じさせない仕上がりを見せている。

 岩出監督自身、「危険性を感じるウイルス。どうやって状態を上げていくか。考える機会になった」と振り返る未曽有の事態。一方でコロナ禍は昨年度の対抗戦3位、全国大学選手権は3回戦敗退と凋落傾向にあったチームに「引き締まった。今年は学生が自律している」と思わぬ成長を促した。09~17年度に空前の大学選手権9連覇を果たした当時の空気感を知る名将は「油断なくやれば上がっていける」と語った。

 今年度は10週間で7試合をこなす過密日程で、「コンディショニングは大事。無理をさせないようにしないと」と選手層や起用法も優勝争いの鍵を握りそうなシーズン。かつてトップリーグ勢をも力でねじ伏せた深紅のジャージーが、再び大学ラグビー界を席巻するか。

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2020年9月21日のニュース