松山は崩れない 全米屈指の難コースも6バーディー!5差4位浮上V圏死守

[ 2020年9月21日 02:30 ]

米男子ゴルフツアー・全米オープン 第3日 ( 2020年9月19日    ニューヨーク州 ウイングドフットGC=7477ヤード、パー70 )

13番でラインを読む松山
Photo By ゲッティ=共同

 首位と4打差の7位から出た松山英樹(28=LEXUS)は6バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの70と粘り、通算イーブンパーでトップと5打差の4位に浮上した。難コースでの消耗戦。粘りのゴルフで優勝圏内を死守し、日本人初のメジャー制覇への望みをつなげた。65と伸ばしたマシュー・ウルフ(21=米国)が通算5アンダーで首位に浮上。石川遼(29=CASIO)は通算10オーバーで40位、今平周吾(27=フリー)は13オーバーで55位だった。

 狭いフェアウエー、やっかいなラフ、硬さのあるグリーンは起伏に富んで速い。全米屈指の難コースの洗礼を受けながらも、松山はこの日最多に並ぶ6個のバーディーを奪った。必死に耐えた一日を「アップダウンの激しいラウンドだったけど、バーディーパットを打てている。それが増えているので良かった」と振り返った。

 「昨日より風が穏やかだった」と、アイアンショットでピンを狙い18ホール中13ホールでパーオン。全体3位の成功率がスコアメークに貢献した。4、5番はフェアウエーからのショットでそれぞれ1・5メートル、3メートルのチャンスをつくり、321ヤードと短いパー4の6番は1オンに成功。3連続バーディーと伸ばせたのが大きかった。一時は3アンダーまで伸ばし首位に2差まで肉薄したが、17番でグリーン左手前のラフからの一打が反対側のバンカーに飛び込むミスでダブルボギー。それでも「忘れて明日はそういうことがないように」と切り替えも早い。

 トップとの差は4から5に開いたが、悲観するものではない。マンハッタンから約40キロに位置するウイングドフットGCでは過去5度開催され、優勝スコアは1984年以外はオーバーパー。74年は7オーバーまで落ち「ウイングドフットの大虐殺」と称された。直近の06年も優勝目前だったフィル・ミケルソン(米国)が最終18番のダブルボギーで自滅し5オーバーでジェフ・オギルビー(オーストラリア)が優勝。最後の最後まで何があるか分からないのが全米オープンの歴史だ。

 あと一歩でタイトルを逃し涙した17年の全米プロ選手権から3年。日本のエースは「耐えながらバーディーを取らないとチャンスはない。今日の前半のショットが打てるよう、あとパットが決まるように何かを考えてやりたい」と日本人初の快挙を見据える。

 ▽松山のメジャー優勝争い 今回がメジャー31度目の挑戦で、1桁順位は13年全英オープン選手権の6位を皮切りに過去6度。16年マスターズは2打差3位で迎えた最終日に崩れて7位。17年全米オープン選手権は最終日に14位から猛追し、日本男子史上最高に並ぶ2位。その2カ月後の全米プロは1打差2位から挑んだ最終ラウンドで一時トップに立ちながら、5位の結果に涙した。また、米ツアーでは通算5勝のうち4度が最終日に逆転したもの。17年のフェニックス・オープンでは4打差を追い付きプレーオフを制した。

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