神鋼 主力3人温存で開幕5連勝!“代役の代役”林2トライ

[ 2020年2月16日 05:30 ]

ラグビー トップリーグ第5節第1日   神戸製鋼43-6リコー ( 2020年2月15日    ユニバ― )

<神鋼・リコー>後半35分、トライを決める神鋼・林(撮影・後藤 正志)
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 神戸製鋼がリコーに43―6で勝利し、開幕5連勝とした。7トライをあげ、3トライ差以上で得るボーナス点も獲得し、勝ち点23に伸ばして2位キープ。主力3人を温存しただけでなく、“代役の代役”WTB林真太郎(26)が途中出場で2トライ。層の厚さを見せつけた。パナソニックは東芝との全勝対決を制して勝ち点25で首位を守った。無敗は神鋼とパナソニックのみになった。

 
 出番に飢えたオオカミが神鋼にはたくさんいる。リコー戦で今季初ベンチ、初出場のWTB林は、この時を待ちわびていたように、2トライを奪った。

 「やってきたことをしっかり出せた。アタックでアピールをしたいと思っていた」

 1本目は拮抗(きっこう)していた前半終了間際。SOパーカーのキックパスをインゴールでつかんで抑え、16―6と差を広げた。後半25分の2本目は、2人の間をスルリと抜けて30メートルを走った。チーム6本目のだめ押しだった。

 先発予定だったCTB重が故障欠場。玉突き的にWTBで先発した井関が足を痛めたため、前半23分に早々とピッチに立った。回ってきたチャンスを、確実にモノにした。

 同大の偉大な先輩で、「憧れ」の故平尾誠二さんに口説かれ、3チームの誘いの中から名門に進んだ。故人が評価した、止められそうで止まらない独特のステップで、入社1年目から出場。しかし、3年目の昨季、アクシデントに襲われた。開幕前に脳しんとうを起こし、1年を棒に振った。15季ぶりの日本一は蚊帳の外だった。

 今季も4節まで出場なし。それでも「チャンスがないのは能力不足。腐っていたら一生チャンスは来ない」と出番という名の獲物を狙い続けた。練習姿勢を買ったディロンヘッドコーチは、ニュージーランド流の表現で喜んだ。「ドアをノックしている選手が多い。層の厚さが強みだ」。チーム内競争は激しさを増すばかりだ。

 カーター、フランクリン、バックマンの主力3人の温存に成功した。次なる標的は23日に激突する東芝。充実の戦力でぶつかる。
 
 ◆林 真太郎(はやし・しんたろう)1993年(平5)9月13日生まれ、大阪府交野市出身の26歳。同志社香里中1年でラグビーを始め、同志社香里から同大へ。大学時代に20歳以下日本代表に選ばれた。神戸製鋼入社2年目の17年にチームから派遣され、ニュージーランドの強豪チーフスで武者修行した。CTBもできる。1メートル79、90キロ。

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