高校生シミュレーションゴルフ全国大会が初開催 実戦イメージアップ、データ分析も

[ 2020年2月7日 05:30 ]

「全国高等学校シミュレーションゴルフ選手権」の「Div1」に参加した選手たち
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 GOLFZON(ゴルフゾン)Presents「全国高等学校シミュレーションゴルフ選手権」が2月1、2の両日、東京都新宿区のドライビングレンジ東新宿で初開催され、初日に行われた「Div1」は男子が小室敬偉(けいん、早実2年)、女子は池ケ谷瑠菜(津田学園1年)が優勝。ブースごとで競った団体戦は小室、池ケ谷、廣川雄大(正智深谷2年)の「ブース4」が初制覇した。

 室内のドライビングレンジに快音が響いた。初日の「Div1」には男子9人、女子9人が出場。抽選で5ブースに3~4人ずつ分かれてスコアを競い合った。

 シミュレーションゴルフのリーディングカンパニー「ゴルフゾンジャパン」が特別協賛し、米LPGA公認シミュレーターにコースを映し出して18ホールをラウンド。サンヒルズCCを舞台とした夏の「全国高等学校ゴルフ選手権」の前哨戦として、選手は真剣な表情でクラブを振った。

 男子は終盤にスコアを伸ばした小室が6アンダー66で初代王者となった。「シミュレーションゴルフをプレーしたことはあるが、大会は初めて。いつもと違う雰囲気だったが楽しめた。優勝できてうれしい」と笑みを浮かべた。終盤にスコアを伸ばしての逆転Vに「アプローチの距離感が難しいが、感覚ではなく、データで分析できることがいいですね」と収穫を口にした。

 3アンダーで2位の赤石拓斗(八戸工大一2年)は「前半はよかったが、後半は伸ばせなかった。グリーン周りなどが難しい。特に1打目、2打目が実戦でも役立つと思う」と語り、団体戦Vに貢献した廣川は「シミュレーションゴルフは面白く、実戦へのイメージがわきました」と振り返った。

 一方の女子は混戦を抜け出した池ケ谷が3アンダー69で全国制覇。「情報量が多くて楽しかったです。寒かったり暑かったりが苦手なので、室内でプレーできたこともよかった」と声を弾ませた。1打差で2位の田村和(四国学院大香川西2年)は「サンヒルズで“回った”ので、コツをつかみました」と夏の全国大会を見据えた。

 今回シミューレーション大会を開催した意義について、同社の今野晃広代表取締役CEOは「選手の皆さんにバーチャルなゴルフも楽しいと思っていただきたかった。そして、普段は人目のある中でプレーをする機会も少ないと思うので、重圧を感じたり、社会性を持つきっかけになれば」と語った。ブース後方には常に顧問や関係者がおり、18ホールのプレーすべてを見られているという環境が、選手には新たな刺激となったはずだ。

 「次回は地区予選も行い、学校対抗の団体戦も開催してみたい」と今野代表。1年生の池ケ谷は「ぜひ出たいです」と早くも第2回開催を心待ちにしていた。

 2日目は「Div2」の競技が行われ、男子は1アンダー71の難波大翔(浜松日体1年)が初代王座についた。「ゴルフの醍醐味は自然との戦いだと思っていたが、新たなゴルフの楽しみ方を知ることができた。室内ということもあり、重圧のない中でプレーに集中できた」と喜びの表情。女子は2アンダー70の斉藤里奈(西武台千葉1年)が制覇。「バンカーやパターは思った以上に難しかった。今回は1W、セカンドショットに助けられた部分が多かったが、ショートゲームの精度を上げ、来年も出場して優勝を目指します」と語った。

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2020年2月7日のニュース