石見智翠館20トライで132点!OB日本代表茂野の激励に応える独走トライ

[ 2019年12月29日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第2日・1回戦   石見智翠館132―0富山第一 ( 2019年12月28日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<高校ラグビー 第1G 第3試合 石見智翠館・富山第一>前半30分、トライを決める石見智翠館・久富(中央) (撮影・奥 調)
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 石見智翠館には確実にW杯効果があった。今月、OBで日本代表のSH茂野海人が激励をしてくれた。代表グッズをプレゼントしてくれただけでなく、技術も教わった。SO久富は、キック、ラインコントロールを教わり、「基本です。立ち返るのは基本なんだと思った」と、原点を確認して花園に立った。

 富山第一戦は前半だけの出場で2トライ、10GKの活躍。ディフェンスのほころびを見つけると自ら仕掛け、裏のスペースがあればキックで陣地を取った。前半30分は右サイドを突破して40メートル独走トライを挙げた。

 2校だけの出場の島根大会決勝は130―0で出雲を退けた。パワーと鋭い出足のタックルを全国でも発揮し、県大会の大勝とほぼ同じスコアを刻んだ。

 久富は異色の経歴の持ち主だ。安倍晋三首相ら政財界に卒業生を持つ東京・成蹊中出身。高校も内部進学したものの、4月に転校を決意した。「花園にどうしても出たかった。島根は激戦県ではない。寮生活に身を置くことで成長できると思った」と、親の反対を押し切って花の都から島根県江津市へ移った。住環境のあまりの変化にホームシックになりながらも、2年連続で夢の舞台に立った。

 安藤哲治監督(46)は「ポテンシャルは高かった。ただし、1人よがりでパスをしませんでした」と2年前を懐かしんだ。中3時、花園ラグビー場での全国大会で優秀選手に選ばれたホープ。心身ともに成長し、思い出の地で再び輝いた。
 司令塔は「ノーシードなので捨てるものはない」と力強い。2回戦は日川(山梨)。目指すゴールはまだまだ先だ。

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2019年12月29日のニュース