県内屈指の進学校・山口 3大会ぶり勝利ならず 2年生SO右近「先輩にありがとうと伝えたい」

[ 2019年12月29日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第2日・1回戦   山口12―24日川 ( 2019年12月28日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<山口・日川> 後半、トライを決めて喜ぶ右近(右から3人目)ら山口フィフティーン(撮影・大森 寛明)
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 黄色と黒のジャージーを着た右近は大粒の涙を流し、グラウンドを引き揚げた。日川と接戦を演じた山口だったが、3大会ぶりの花園勝利には届かなかった。2年生SOは「めちゃめちゃ悔しいです。先輩たちにありがとうと伝えたいです」と唇をかんだ。

 ラグビー一家に育った三男。兄2人とも山口OBで、長男・幸也さんは16年大会、次男の陸人さんは17年大会に出場した。ポジションも同じSO。兄2人に「楽しめ。気持ちでプレーしてこい!」と送り出され、初めて花園のピッチに立った。

 期待に応えたのは7―17の後半9分。ゴール目前の右中間ラックからSH矢野の右へのパスに反応し、右中間に反撃のトライを決めた。「FWが頑張っていたので恩返しがしたかった」と右近。

 FWの平均体重は山口が82キロで日川が95キロ。10キロ以上の体格差に対抗したが、反撃はここまでだった。岩崎洋監督は「体では負けるので速く動かそうと思ったけど、流れをつかみきれなかった」と話した。

 山口はOBに佐藤栄作元首相らがいる県内屈指の進学校。勉強と両立し2大会ぶりの出場を果たした。来年はスタメン起用された2年生6人が残る。「体をつくって、今年以上に引っ張っていきたい」と右近。力強く話したその目にもう涙はなかった。

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2019年12月29日のニュース