【上水研一朗の目】「自分の柔道」から頭脳的に変化した阿部一二三

[ 2019年11月23日 09:00 ]

柔道 グランドスラム(GS)大阪大会第1日 ( 2019年11月22日    丸善インテックアリーナ大阪 )

男子66キロ級決勝、ゴールデンスコアの末に丸山(右)を破って優勝した阿部(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 男子66キロ級で丸山戦の連敗を止めた阿部一の勝因は、対策を徹底できたことに尽きる。けんか四つ、丸山の左の釣り手を阿部一は右釣り手で殺し続けた。そのまま、両袖を持って攻めたり、帯を取ったりという展開は阿部一ペース。我慢し切れなくなった丸山が、両襟を持って仕掛けた内股は強引で、阿部一の返し技につながった。

 「自分の柔道さえすれば」という内容から相手長所を封じる頭脳的な内容へ、阿部一の変化が印象的だった。一方、丸山にとって不運だったのは、巴投げで「偽装攻撃」の指導を受けたこと。指導の数で不利になり、その後は巴投げを掛けられなくなってしまった。攻めの幅を失い、最後は手詰まり感があったように思う。

 女子52キロ級の阿部詩は、得意の形にさせてもらえないシーンが目立った。投げ切れなくても崩しさえすれば、寝技で仕留めることもできるのだが、そこすら対策されていた。ただし、この負けは東京五輪本番に向けては良薬。もう一度、気持ちを引き締め直せば、やはり力は一枚抜けていると思う。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「NBA」特集記事

2019年11月23日のニュース