大坂 貫禄の16強 15歳新星と異例の合同インタビュー「顔を上げてほしかった」

[ 2019年9月2日 05:30 ]

テニス 全米オープン第6日 ( 2019年8月31日    米・ニューヨーク )

試合後、敗れたガウフ(右から2人目)を勝利者インタビューに呼び寄せ労う大坂なおみ(右)=撮影・小海途 良幹
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 女子シングルス3回戦で、連覇を狙う第1シードの大坂なおみ(21=日清食品)は主催者推薦枠で出場した15歳のコリ・ガウフ(米国)を6―3、6―0で下し、4大大会で4度目の16強入りを決めた。ウィンブルドン選手権で初出場ながら16強入りした地元期待の天才少女を圧倒。試合後は涙するガウフを勝利インタビューに誘う異例の行動も見せ、女王の貫禄と器を示した。

一切の手加減なく完勝した大坂は試合後、涙をこらえるガウフに声を掛けた。「一緒にインタビューを受けよう」。固辞する相手を説得して、大観衆の前に並んだ。拍手喝采を受けて泣きじゃくる15歳を優しい目で見守っていたが、最後には自身も涙をこぼした。

 「私が負けた時はロッカールームで泣いて会見に向かうけど、それは良いものじゃないわ。みんなが彼女を応援していた。だからシャワーを浴びながら一人で泣くより、みんなと話をした方が良いと思ったの。顔を上げてほしかった」

 フロリダの同じ練習施設に通い、自宅も近所で、父親同士は知り合いだった。一緒に練習する機会はなかったが「お互いここまで来られたのは凄いこと」と感慨深げ。ロッカールームでヘッドホンをつけ誰ともしゃべらない姿にも「私みたい」と親近感を抱いた。特別な感情があるからこそ、敬意を持って全力ではね返した。「全豪後で一番集中していた。私もこの試合で成長できたわ」

 言葉通り、完璧に近い試合内容で連覇へ弾みをつけた。これまで多かったミスが減り、ウイナーは相手の3倍の24本。「多くのリターンを挙げたことが勝利につながった」。8強入りを懸けて戦う相手は第13シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)。今季2敗を喫している難敵だが、今の大坂は別人だ。

 《良い時間だった》ガウフはダブルフォールト7本とサーブが安定せず、ミスが続いて攻め切れなかった。「なおみは凄かった。私はこの試合から多くのことを学ぶと思う」と振り返った。試合後の大坂の行動には「彼女が真のアスリートであることを証明したと思う。私にとってその定義は、コートの外では親友になれる人よ」と語り、「私はみんなの前で泣きたいタイプじゃないけど、良い時間だった」と感謝していた。

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