司令塔一家に生まれたSO田村優 1歳で父とキックキャッチボール

[ 2019年6月29日 12:20 ]

田村優
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 ラグビー日本代表候補のSO田村優(30=キヤノン)は、司令塔一家に生まれた。父の誠さん(57)はCTBなどで活躍。86年にトヨタ自動車で日本一になった。弟の煕(ひかる=25)はサントリーのSO。1メートル81、91キロと体格にも恵まれた当の本人は、ジョセフ・ジャパンにおける不動の10番だ。

 「パスとキックとランのオプションがあるので、その時の判断で組み合わせている」

 選択肢を常に3つ持って、攻撃を組み立てている。何でもできる総合力の高さが魅力の一つ。その中でもキックセンスが際立つ。昨年6月のイタリア戦。敵陣ゴール前で、中央から右サイドへ低いキックパスをして美しいトライを演出した。ディフェンスの裏に転がすグラバーキックも一級品。即トライにつながる“キラーパス”が大きな武器だ。

 幼稚園から中学まで楕円球とは無縁のサッカー少年。パスが得意な攻撃的MFだった。足技に自信を持つのは当然と思えるこの経歴に加え、キックが得意だった父からも素質を受け継いだ。

 「小さな柔らかいラグビーボールを、2歳になる前に蹴っていました。私と向かい合って、キックでキャッチボール。家の中で2メートルほどの距離ですが」

 1歳後半で見せた大器の片鱗を、父は懐かしむ。その後、英才教育どころか、息子に「ラグビーをしろ」と一度も言ったことがない。技術指導も一切していない。それでも、知らず知らずのうちに、センスは受け継がれた。

 親子談義の中で「サッカーはスペースの取り合い」というパスの感覚を伝え、トヨタ自動車の監督を務めた頃は、小学校高学年になった長男と一緒にラグビーの映像を自宅で見た。ゲームメイカーの感性が日々の生活の中で養われた。

 母方の祖父は沖縄の高名な弁護士だったりと、日本代表の頭脳には、血筋に関するトピックが多い。「優勝の場に立てるように」という願いを込めて名付けられた「優」。ジャパン躍進の命運を握っている。(倉世古 洋平)

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