孔明 強風手なずけ首位浮上、知力尽くし“開幕男”復権だ

[ 2019年4月20日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 東建ホームメイト・カップ第2日 ( 2019年4月19日    三重県 東建多度CC名古屋=7081ヤード、パー71 )

東建ホームメイト・カップ第2日 18番でティーショットを放つ小田(撮影・井垣 忠夫)
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 09、10年のこの大会を連覇した“開幕男”小田孔明(40=プレナス)が強風の中、67の好スコアをマークし通算10アンダー、132で、米国のD・オー(38)に並んで前日の4位から首位に浮上した。小田が総帥を務める「チーム孔明」の出水田大二郎(26=TOSS)が首位に2打差の4位から逆転を狙っている。

 午後に入って東建名物の風が吹き荒れた。知力と体力の限りを尽くしてコースと向き合った小田は疲れ切った表情で引き揚げてきた。

 「足が上がらん。もう疲れたっす」

 風が穏やかだった前半のインで11番からの4連続を含む5バーディーを奪った。13番ではグリーン右から30ヤードのバンカーショットがカップに吸い込まれる幸運もあった。その快調なゴルフが後半に入ると一変する。きっかけは折り返しの1番。9Iを選択した残り190ヤードの第2打が追い風に乗ってグリーンをオーバーした。その後は丘陵コース上空を舞う制御不能の風をなだめすかしながらのゴルフ。最終9番では強烈な追い風の中、残り130ヤードの第2打をピンそば1メートルに運んでバーディー。PSのフェースで球を切るようにして距離を合わせる技ありの一打で苦難の一日を乗り切った。

 09、10年と連覇したかつての“開幕男”も14年大会の3位を最後に低迷。この2年は予選落ちした。「もう10年も前のことっすよ。タイガーみたいには思い出せないっすね」。先週のマスターズで復活Vを遂げたウッズを引き合いにおどけてはみせたが、その目の光は弱気な発言を否定。昨季賞金ランク44位となり、11年続いた日本シリーズ出場を逃すと、オフは宮崎で人生最多と自負する50ラウンドの実戦をこなした。

 相手は昨年ツアー2勝を挙げた秋吉、出水田ら小田を慕って集まった「チーム孔明」の面々。ジュニアも含めると約15人に膨らんだ若手との激闘の中で「今週に限ってはそんなに崩れるとは思ってない」と忘れかけていた自信を取り戻した。出水田が4位と追ってくるが、「あんまり伸ばすなと言っておきます」とニヤリと笑った。

 賞金王に輝いた日本勢でマスターズの招待状が届かなかったのは84年の前田新作と14年の小田だけ。そんな悔しさもバネに不惑の年まで第一線で戦ってきた。平成最後の残り2日間、勝って開幕男の称号を取り戻す。

 ◆小田 孔明(おだ・こうめい)1978年(昭53)6月7日生まれ、福岡県出身の40歳。7歳からゴルフを始め、00年プロ転向。08年のカシオ・ワールド・オープンでツアー初優勝。通算ツアー8勝。09年に自身初の賞金1億円を突破。14年には賞金王に輝いた。名前の由来は三国志の諸葛孔明。趣味は釣り。1メートル76、85キロ。

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