大西 2位発進「イプってた」パット改善、アームロック式奏功

[ 2019年4月20日 05:30 ]

女子ゴルフツアー KKT杯バンテリン・レディース第1日 ( 2019年4月19日    熊本県 熊本空港CC=6428ヤード、パー72 )

KKT杯バンテリン・レディース第1日 6番、パーパットを打つ大西(撮影・中村 達也)
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 大西葵(24=YKK AP)が6バーディー、2ボギーの4アンダー、68で回り、首位と1打差の2位につけた。パットイップスに苦しんでいたが、米男子ツアーのブライソン・デシャンボー(25=米国)のアームロック式パットで光明を見いだした。単独首位は67をマークした酒井美紀(27=国際スポーツ振興協会)。熊本出身のホステスプロ・有村智恵(31=日本HP)は70で回り6位発進となった。

 ずっと悩んできたパットイップス。新たな握り方に、好感触を得た。17年以来、約2年ぶりの60台。大西は満面の笑みで初日を終えた。

 「うれしい!プライベートではめっちゃ出るんですけど、パターがイプって(イップスになって)いたので。アームロックにしたら、手が動くようになりました」

 16番で10メートルのスライスラインを沈めてバーディー。7番では10メートルのパーパットをねじ込んだ。今季の1ラウンド当たりの平均パット数は31・15だったが、この日は24パット。「10メートルが2つも入るなんて記憶にない」という好ラウンドのきっかけは、米男子ツアーの“科学者”だった。

 開幕から4戦連続予選落ち。パターを引いて下ろす時に止まってしまうパットイップスに陥っていた。「最近は全然駄目で、全く動かないのでいろいろ考えてしまった」。明るい口調で明かすが、ゴルフを続けられるのかどうかまで考えた。

 ふと見た米男子ツアーで、デシャンボーが左腕とパターのグリップを一体化させるイメージのアームロック式でパットをしていることを発見した。独自の理論を持ち、“科学者”と呼ばれる選手。前週に試してみると、スムーズにストロークできて今季初の決勝進出。そして、今週は2位発進を決めた。「ショットはずっと良かったので、後はパットという感じだった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 プロ6年目。これまでの最高成績7位の更新、そして初優勝も見える位置につけた。「気合を入れたときは大体駄目だから、普通にいきます」。自然体で残り2日間を戦い抜く。

 ◆大西 葵(おおにし・あおい)1994年(平6)7月13日生まれ、千葉県我孫子市出身の24歳。9歳の時に父・直樹さんの影響でゴルフを始める。千葉学芸高卒。14年にプロテストに合格した。15年のマスターズGCレディースでの7位が最高成績。昨季の賞金ランクは115位(226万6000円)、今季はツアー予選会4位の資格で出場権を得た。趣味はショッピング。1メートル63、56キロ。血液型O。

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