佳純&張本“初メダル獲る!” 平成最後のビッグイベント・卓球世界選手権個人戦21日開幕

[ 2019年4月20日 05:30 ]

世界卓球に出場する石川佳純
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 卓球の世界選手権個人戦が21日から28日まで、ハンガリーのブダペストで行われる。女子は、世界ランキング6位の石川佳純(26=全農)が自身初のメダルに挑戦する。男子は前回8強の張本智和(15=木下グループ)の活躍に期待がかかる。5月1日に元号が令和へ。平成最後のビッグイベントで、日本勢が活躍を狙う。

 石川が、シングルスで初のメダルに挑む。同種目は今回が6度目の出場。2度ある8強が最高成績だ。

 「楽しむ気持ちを忘れずに堂々とプレーしたい。目の前の1球に集中して自分を信じて勝ちたい」

 第6シード。準決勝までに中国勢と当たることが予想され、表彰台は容易ではない。しかし、サウスポーは「メダルが絶対欲しい。(中国勢に)勝てるように頑張りたい」と闘志を表に出している。

 明るい材料がある。7日のアジア杯3位決定戦。12年ロンドン五輪で銅メダルを争って敗れたフェン・ティアンウェイ(シンガポール)に勝利した。

 3月のカタール・オープンは1回戦で中国選手に敗れた。「内容もそうだし、負けたことにも落ち込んで、あーどうしようという気持ちだった」というほど落胆が大きかった。

 アジア杯は一服の清涼剤。準決勝で世界ランキング3位の陳夢(チンム=中国)に敗れたとはいえ、銅メダルをつかみ、努力が間違いではないと確信できた。

 「サーブの種類が増えているし、前はレシーブを一つの戦術にこだわっていたが、いろいろ変えられた。勝ち切れたことも大きい」

 前回大会で平野美宇が銅メダルを手にした。それに続く日本女子2大会連続のメダルへ、ムードは悪くない。吉村真晴と組み、前回Vの混合にも出場する。

 東京五輪のシングルス代表は、20年1月の世界ランキング上位2人が選ばれる。ポイントが高いこの世界選手権で上位進出を果たせば、「流れに乗っていける」と選考レースでも一歩前に出られる。

 一方、張本は、1979年平壌大会の小野誠治(金)以来となる男子40年ぶりのメダルに挑む。13歳で初出場した前回17年は、男女を通じてシングルス大会最年少となる8強入りをした。その後も驚異的な成長を遂げ、一時は世界ランキング3位まで浮上した。現在4位。堂々の第4シードでハンガリーに乗り込む。

 アジア杯では、サーブを工夫され、武器のチキータ(バックハンドの攻撃的レシーブ)を封じられた。過去に勝った経験がある中国の強敵、樊振東(ハンシントウ)と馬龍(マリュウ)に対策を講じられ、敗れた。「バックハンド以外の得点率を上げないといけない」。フォア側の細かい技術を磨かなければいけないと、再認識させられた。

 そのアジア杯で右手薬指の痛みを訴えた。「けんしょう炎」の影響で今大会の混合を回避。シングルスとダブルスの2種目に出る。強気な男が「1試合1試合戦うしかない」と発言も控えめ。故障は気掛かりだが、普通の物差しでは計れない活躍をしてきた神童ならば、前回を上回る成績も夢ではない。

 ≪女子・佐藤、加藤も上位狙う!≫女子は“中国キラー”の伊藤美誠が大会を賑わせそうだ。昨年のスウェーデン・オープンで中国5強のうちの3人に勝ち、優勝した。ダブルスと混合でも活躍が期待される。前回銅メダルの平野も力を秘める。カット型の佐藤瞳、代表選考会を勝ち抜いた加藤美優も上位を狙う。他国では中国勢の充実が際立つ。前哨戦のアジア杯を制したのは、世界選手権の代表に落選した朱雨玲(シュウレイ)。誰が出ても優勝する力がある。台湾、香港、韓国勢も油断はできない。

 ≪男子・簡単に崩せない中国勢≫水谷隼の力は健在だ。1月の全日本選手権を制し、3月末のカタール・オープンで8強入り。目の不調を訴えているが、16年リオデジャネイロ五輪銅メダリストの技術は高い。8度目出場の平成元年生まれが、平成ラストでシングルス初のメダルを狙う。アジア杯3位の丹羽孝希は大物食いの魅力がある。中国勢の力が抜けている。アジア杯は、樊振東が馬龍との頂上決戦を制して優勝した。許昕(キョキン)、林高遠(リンコウエン)らを加えた陣容は簡単には崩せないだろう。

 ◆メモ 世界卓球は国際卓球連盟が主催する最も権威ある国際大会。第1回大会は1926年にロンドンで開催され、2003年からは個人戦と団体戦を毎年交互に開催。奇数年にあたる今回のブダペスト大会は個人戦が、偶数年には団体戦が行われる。個人戦は男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目。

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