陵侑W杯史上最多6連勝 1シーズンで原田に並んだ通算9勝

[ 2019年1月14日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ男子個人第12戦 ( 2019年1月12日    イタリア・バルディフィエメ ヒルサイズ=HS135メートル )

W杯ジャンプ男子個人第12戦で優勝した小林陵
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 日の丸の新エース小林陵侑(22=土屋ホーム)がW杯最多タイ、史上5人目となる6連勝を飾った。135メートル、136メートルの合計315・0点で圧勝し、4戦全勝で完全制覇したジャンプ週間を含めて昨年12月16日の第7戦(スイス・エンゲルベルク)から破竹の6連勝。W杯通算9勝は原田雅彦に並ぶ日本歴代3位となり、シーズン9勝は日本人最多記録を更新した。

 ジャンプ週間が終わっても小林陵の強さは異次元だ。不利な追い風の条件で50人中8人しかK点(120メートル)に届かなかった1本目は、2番手に13メートルもの差をつける135メートル。他の有力選手より1段低いゲートからスタートした2本目も136メートルで、W杯総合優勝4度のマリシュ(ポーランド)が03年にマークしたバッケンレコードに並んだ。「ちょっと飛びすぎた」と着地後に勢い余って転倒したものの、その動画をインスタグラムで公開。「みんな見て笑ってください」とつづるちゃめっ気を披露した。

 助走路をセラミックやアルミではなく、雪を固めて作った最近では珍しいジャンプ台。波打って滑りにくかったが、「小学生の時を思い出す」と全く苦にしなかった。ジャンプ週間で史上3人目の4戦全勝を達成し、欧州での注目度も高くなったが、「リラックスして集中できた」と重圧とは無縁だった。W杯6連勝は08〜09年シーズンのシュリーレンツァウアー(オーストリア)以来10季ぶり5人目。残り3人もアホネン(フィンランド)、マッティ・ハウタマキ(同)、モルゲンシュテルン(オーストリア)と歴史に名を残す名選手ばかりで、「自分の名前が4人の偉大なジャンパーと同列で語られるのは光栄」と照れくさそうに喜んだ。

 自身W杯50試合目でレジェンド・原田の通算9勝に並んだ。連勝記録更新に加え、首位を独走する個人総合では日本男子初の優勝へばく進中だ。それでも「自分のジャンプに集中するだけ。勝つのが当たり前みたいに周りもなっているし、自分もちょっと慣れがあるので、気をつけたい」と冷静さも忘れていなかった。

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2019年1月14日のニュース