稀勢、黒星発進に横審も落胆「言葉もない」大歓声のち…広がるため息

[ 2019年1月14日 05:30 ]

大相撲初場所初日   ●稀勢の里―御嶽海○ ( 2019年1月13日    両国国技館 )

御嶽海に押し出しで敗れる稀勢の里(右)(撮影・久冨木 修)
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 和製横綱が土俵人生の危機を迎えた。進退の懸かる横綱・稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)は結びの一番で小結・御嶽海(26=出羽ノ海部屋)を攻めきれず、押し出されて黒星発進となった。これで、昨年秋場所千秋楽から休場を挟んで7連敗(不戦敗を含む)。九州場所後に史上初の「激励」を決議した横綱審議委員会の面々からも不安の声が出た。

 優勝が決まる取組のように大歓声に包まれた平成最後の東京場所の初日の結びの一番。稀勢の里は期待に応えられなかった。左差しを封じられ、低い攻めに上体が起きた。左からの突き落としも通じない。最後はあっさり土俵を割った。悲鳴とため息の中、座布団はほとんど舞わない。稀勢の里は土俵上で首をひねった。

 7日の横審稽古総見、9日の二所ノ関一門連合稽古では「前に出る意識」を心がけ、四つ相撲に固執しなかった。御嶽海には頭から当たって得意の左差しを狙った。昨年九州場所は左一辺倒の相撲を封じられ、横綱では87年ぶりとなる初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫した。同じ攻めで違う結果を求めたが、再び土がついた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「攻めてはいるけど、おっつけられている」と工夫のなさを指摘した。

 稀勢の里に対して、奮起を促す「激励」を決議した横審のメンバーは本場所の視察に訪れていた。北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「残念です。(千秋楽まで)全うできるか不安になります。もう少し落ち着いて取れたらという気がします」と力を出し切れなかった横綱の状態を心配した。都倉俊一委員(作曲家)は「言葉もありません。稽古総見の時と、そのままですね」と落胆した。

 横綱昇進後、稀勢の里が初日に敗れたのは5度目。過去4度は全て途中休場に追い込まれている。進退の懸かる今場所は、途中休場は許されない状況。最終決断するのは本人だが、このままずるずるいけば引退の2文字が近づいてくる。

 新しく赤紫色の締め込みに替え、土俵入りでは新横綱で優勝を飾った17年春場所に用いた鶴と富士山が描かれた化粧まわしをつけた。心機一転で臨んでも結果は伴わなかった。昨年秋場所からは6連敗(不戦敗を除く)。15日制定着後では、貴乃花の7連敗に次いで横綱のワースト2位となった。

 厳しい状況で、2日目は直近3連敗の平幕・逸ノ城との一番を迎える。稀勢の里は支度部屋で多くを語らなかったが「ここからという気持ちか」との問いには「そうだね」と答えた。気持ちは前を向いている。土俵に上がり続けるには、その気持ちを相撲で出すしかない。

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