【上水研一郎の目】復活Vの原沢 復調途上でも自分にできる戦い徹底

[ 2018年4月30日 07:42 ]

柔道・全日本選手権 ( 2018年4月29日    日本武道館 )

優勝した原沢
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 復調途上で調子もいまひとつだった原沢だが、自分にできる戦いを徹底した。投げて勝ったのは内股で一本を奪った加藤との準決勝だけ。決勝は体力が回復しておらず、長期戦を想定して序盤は無理な攻めはしなかった。

 一方の王子谷は初戦から3試合連続で技で一本勝ち。準決勝で初めて小川に勝ち、勢いに乗っていた。そのため決勝は攻め急ぎ、オーバーペースになって先に息切れした。指導差では勝敗がつかない現行ルールでは、攻め急いで相手に指導が与えられないと、非常に不利となる。我慢して後半勝負に持ち込んだ原沢の試合巧者ぶりが光った。

 東京五輪の代表争いは原沢、王子谷、小川の三つ巴を、海外勢に強い影浦が追う状況といえる。原沢はまず体調面を取り戻し、見切られてきた感のある大外刈りや内股の切れを取り戻すことが必要だ。小川は2試合を投げて勝ち、課題を克服しつつある。 (東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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2018年4月30日のニュース