新入幕の錦木、白星発進「いっぱい稽古しました」北の富士氏も評価

[ 2016年5月8日 20:30 ]

大相撲夏場所の新番付を手にする新関脇の勢(右)と新入幕の錦木

 大相撲夏場所は8日、両国国技館で初日を迎え、新入幕の錦木(にしきぎ)が白星スタートを切った。

 入門11年目、25歳の錦木は、「攻める相撲で勝ち越しを目指す」との宣言通り、相手の青狼に対し下からおっつけ、押し出しで勝った。

 勝利インタビューでは「風貌もそうですが…何年も幕内で取って来たような落ち着きですね」と言われる貫禄を見せながらも「いっぱい稽古しました!前に出る相撲で頑張ります」と初々しくコメントした。

 NHKテレビ中継では「錦木」というしこ名について紹介。歴史ある伊勢ノ海部屋で江戸時代から続く伝統の名のひとつで、寛政元年(1789年)の錦絵にも「大関・錦木」の名が記されており、その後も引き継がれて現7代目を数えるという。初代と同郷の岩手県出身の有望力士ということで、平成の「錦木」が誕生した。
 
 「初代の錦木が活躍したのは、西洋ではフランス革命が起こった時代…その頃から続いているしこ名です」と説明する刈屋アナに、「すごいねえ」と解説の北の富士勝昭氏も感心。「ぼくは大好きですよ。江戸時代の昔の名を継ぐ…憧れるなあ。なんかワケのわからないの付けるよりね」としながら、伝統を守ることの大切さを強調して「部屋を継承していく者の義務だと思う」と話した。

 ちなみに、同じ伊勢ノ海部屋の勢(いきおい)も、江戸時代から伝わる歴史あるしこ名。錦木が付け人を務めていた先輩力士でもある新関脇の勢は初日、横綱・日馬富士に突き落としに敗れた。

 ◆初代・錦木(1760年生まれ)出身地は南部地方(現在の岩手県)。郷土の景勝地である「錦木塚」(現在の所在は秋田県)が名前の由来で、「錦木塚右エ門」と名乗った。現役引退後は南部相撲を盛んにし、その功績が認められて初代・二所ノ関親方となった。

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2016年5月8日のニュース