沙羅 W杯今季1勝!地元・北海道で圧巻、開幕戦3位から逆襲

[ 2015年1月11日 05:30 ]

2本目、98メートルのジャンプを決め両拳を突き上げる高梨

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第2戦

(1月10日 札幌市宮の森ジャンプ競技場)
 W杯総合3連覇を目指す高梨沙羅(18=クラレ)が、地元・北海道で今季初優勝を飾った。1回目97メートルで首位に立つと、2回目も最長不倒の98メートルをマークし通算25勝目を挙げた。ソチ冬季五輪銀メダルのダニエラ・イラシュコ(オーストリア)は2位。ソチ五輪代表の伊藤有希(20=土屋ホーム)は15位に終わった。11日は個人第3戦が行われる。

 大差の首位で迎えた2回目のジャンプ。高梨は好タイミングで踏み切ると、緩やかな向かい風にも乗り最長不倒の98メートルをマークした。着地後は勝利を確信したように派手なガッツポーズで約2600人の観衆の声援に応えた。

 合計距離で2位に11・5メートル差をつける圧勝。試合後のインタビューでは「強かったですね?」との質問に「いやぁ、風が強かったです」とジョークで切り返すなど地元・北海道での今季初勝利を喜んだ。「地元で勝てたというのが大きい。応援の力をパワーに変えることができました。いい記録をきっかけに、もっともっと良くなっていければ」

 今季は12月のW杯開幕戦で3位。その後の国内調整も悪天候のため、ジャンプ台での練習が思うようにできず苦しんだ。助走路の滑りの姿勢もしっくりこず「切羽詰まって焦りもある」と国内初戦の吉田杯も2位に敗れた。しかし、試行錯誤の末にスキー板の金具を元に戻すなどして復調。全日本スキー連盟の斉藤智治ジャンプ部長(58)は「沙羅らしい本来のジャンプ。本人が一番安心したのでは」と評価した。

 昨年2月のソチ五輪では、金メダルを期待されながらまさかの4位。だが、その経験を無駄にはしない。「自分のベストを尽くせず、悔しい思いをした。収穫したものを、これからどう表現するか。凄く重要な一年になってくる」。強風のため順延された前日の公式練習で97メートルを飛びながら着地後バランスを崩し、ヘッドスライディングのような形で転倒。「影響はなかった」と振り返るように、五輪の苦い思い出を糧にアクシデントにも動じない精神力を身につけつつある。

 W杯2戦を終え、高梨を含め3人が総合首位に並んだ。11日は異例の3人がイエロービブを着用して飛ぶ。初Vを弾みに、連勝で3連覇への最短コースとなる単独首位を狙う。

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