男子100キロ級2年連続メダルなし リオ五輪出場に黄信号

[ 2014年12月8日 05:30 ]

柔道グランドスラム東京大会最終日

(12月7日 東京体育館)
 不振の男子100キロ級がリオ五輪出場に黄信号だ。8月の世界選手権に代表を派遣せず発奮を促した同階級は、今大会も不発で2年連続でメダルなしに終わった。日本開催で4選手が出場できる地の利もあったが、高木海帆(かいはん、24=日本中央競馬会)の8強が最高で、一人も準決勝に勝ち上がれなかった。16年5月末の世界ランキングで決まる五輪出場権確保もこのままでは危うい状況。男子代表の井上康生監督はランキングポイント獲得と強化を兼ね、来年は100キロ級だけを海外で連戦させる“どぶ板遠征プラン”も示した。

 お家芸であるはずの柔道で日本選手が五輪の舞台にすら立てない。そんな事態も笑い話ではなくなってきた。井上康生、鈴木桂治、穴井隆将といった名選手を輩出し、近年の日本を支えてきた花形階級が、今大会は男女14階級で唯一のメダルなし。それも2年連続の屈辱の結果に終わった。

 日本人1番手であるはずの羽賀は2回戦であっさりと敗退。故障から復活してきた高木も準々決勝で敗れ、世界ジュニア王者の後藤ら期待の若手も早々と姿を消した。不振の続く同階級は個別合宿を行って底上げに力を注ぎ、さらに今夏には世界選手権に代表を派遣しない荒療治も行ってきた。しかし、それらも功を奏さず、全日本重量級担当の鈴木桂治コーチは「心が戦えていない。カンフル剤が生きていない」と険しい表情。井上監督も「メダルどころの話ではなくなってきた。ランキング内に入らなければ夢もクソもない」と五輪出場そのものを心配し始めた。リオ五輪の出場資格は再来年の5月30日時点で世界ランク22位以内(女子は14位、国が重複した場合は繰り下がる)であること。現状では羽賀の35位が日本人最高で全員が圏外だ。井上監督は「海外で連戦をさせたり、新たな取り組みもしていかないと」と危機感を募らせた。

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2014年12月8日のニュース