野球ソフト、五輪復活へ 東京大会で種目追加権 IOC臨時総会

[ 2014年12月8日 22:30 ]

 国際オリンピック委員会(IOC)は8日、モナコで臨時総会第1日の審議を行い、中長期改革「五輪アジェンダ2020」の40項目のうち実施競技を見直す項目を承認した。夏季五輪で最大28と定めていた競技数の枠を撤廃し、開催都市が複数の種目追加を提案できる権利が認められ、2020年東京五輪での野球とソフトボールの復活が有力となった。

 日本国内では野球とソフトボールの復帰への期待が高まり、IOCのヒッキー理事が「野球とソフトボールは東京から提案されれば確実に入るだろう」と述べるなど、IOC委員にも支持が広がっている。

 今後、東京の大会組織委員会は日本オリンピック委員会(JOC)や国際競技連盟などと協議し、希望する種目を選んでIOCに提案する。早ければ来年夏のIOC総会(クアラルンプール)で野球などの追加が決定する可能性が出てきた。

 実施競技改革は「競技」ではなくより細分化した「種目」を基準とし、上限を約310種目、参加選手約1万500人と設定し、種目の入れ替えを促進する。

 16年リオデジャネイロ五輪は306種目を実施予定で、リオ五輪を基準とすると東京では4種目の追加が可能となる。野球、ソフトボールのほか空手やスカッシュも候補となりそうだ。野球は1992年五輪、ソフトボールは96年五輪で採用されたが、08年北京五輪を最後に除外された。

 開催都市のコスト削減のための改革では、国内の開催都市以外での実施や夏季、冬季を問わず例外的に一部を他国で行うことも認めた。施設建設費の高騰で会場計画の見直しを進める東京五輪や、26年冬季五輪招致に名乗りを上げた札幌市の計画策定にも影響しそうだ。18年平昌冬季五輪で検討されている、そり競技の日本を含めた国外開催案の後押しにもなる。

 今回の改革は開催都市の利益を重視し、五輪の魅力や創造性を高めることを目的としている。昨年9月に就任したバッハ会長は「五輪改革へ最初のヤマを越えた。招致プロセスと実施競技の見直しは大きなテーマだった」と述べた。IOCは14部門の作業部会を設置して意見を集約し、約1年の議論を重ねて改革案をまとめた。

 臨時総会には104人のIOC委員のうち96人が出席し、1項目ずつ挙手で採決された。五輪改革の審議は9日まで行われる。(共同)

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