寺川 100背で銅、日本女子として最年長表彰台 萩野は無念

[ 2013年7月31日 06:00 ]

女子100メートル背泳ぎ決勝 59秒23で銅メダルを獲得しガッツポーズする寺川綾

世界水泳第11日

(7月30日 スペイン・バルセロナ)
 女子100メートル背泳ぎ決勝の寺川綾(28=ミズノ)は59秒23で、昨年のロンドン五輪に続いて銅メダルを獲得した。28歳での表彰台は日本女子として世界選手権最年長。男子200メートル自由形決勝に出場した萩野公介(18=東洋大)は1分45秒94で自己ベストを更新したものの、5位に終わり400メートル自由形に続くメダルを逃した。

 悲願のメダルに寺川の笑顔がはじけた。59秒23で銅メダル。11年上海大会ではまさかの5位に終わっていただけに喜びもひとしお。「きのうがあまり良くなかったので凄く心配だったんですけど、自分のレースができた結果がメダルにつながった」。世界選手権日本女子最年長メダリストに輝き声を弾ませた。代表選出の際には「最後の世界選手権になるかもしれないですね」と覚悟して臨んだ今大会。リベンジを果たし、ロンドン五輪銅メダルに負けないくらい喜びを爆発させた。

 「メダルへの執着心は以前より確実に強くなっている」。今季は五輪特有のプレッシャーから解放され、泳ぐ度に好記録を連発し、50メートルでは日本新記録も叩き出した。長年悩まされた腰痛が回復したため、ウエートトレーニングを週3回取り入れてパワーアップに着手。順調に来ていたが大会前に調子を落とし、浮上のきっかけがつかめず、もがいた。「今季は結果が安定していたので、調子を上げることに戸惑ったが、もうやるしかない」。開き直ってレースに集中した。

 カレーリャの直前合宿では体調管理に努めた。「練習以外は室内にこもっていた。日焼けは疲れがドッとくるので」。無駄な日焼けを避ける徹底ぶり。リゾート地で紫外線の少ない時間に散歩したりリフレッシュして今大会に乗り込んだ。

 国内では敵なし。「以前は誰が代表になるか分からないくらい接戦だった。後輩が上がってきてくれるのを待っている」とライバル不在に苦言を呈す28歳。08年北京五輪て出場権を逃した寺川としては、現状の日本のレベルに物足りなさを感じている。「(後輩に)追い越してもらえるように、ついてきてもらいたい」。まだまだ大きな背中でベテランの強さを見せ続ける。

 ◆寺川 綾(てらかわ・あや)1984年(昭59)11月12日、大阪市生まれの28歳。3歳から水泳を始め高3時に出場した02年パンパシフィック選手権の女子200メートル背泳ぎで2位に入り国際大会初のメダルを獲得。女子50メートル、100メートル背泳ぎの日本記録保持者。04年アテネ五輪の女子200メートル背泳ぎ8位。12年のロンドン五輪は100メートル背泳ぎと400メートルメドレーリレーで銅メダル。近大出。1メートル74、60キロ。

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2013年7月31日のニュース