北島 100平は6位、ラスト失速「悔やんでもしょうがない」

[ 2013年7月31日 06:00 ]

男子100メートル平泳ぎで6位に終わり、キャップを脱ぐ北島康介

世界水泳第10日

(7月29日 スペイン・バルセロナ)
 競泳2日目(29日)に行われた男子100メートル平泳ぎ決勝で北島康介(30=日本コカ・コーラ)が59秒98の6位に終わり、メダルに手が届かなかった。前半から積極的なレースを見せたが、最後の15メートルで失速した。2種目に出場した萩野公介(18=東洋大)は100メートル背泳ぎで全体6位の53秒68で、200メートル自由形で全体3位の1分46秒87で決勝に進んだ。

 レースを終えた表情には充実感と悔しさが同居していた。「ファイナルに出て、こういう景色を味わって、もう1回10年前と同じ舞台に立てたのが幸せだと思う」。6位の結果を受け止めた北島が静かに振り返った。決勝進出者のうち2位から8位までは横一線の実力と予想。8コースに入った元世界王者は前半から積極的に飛ばしたが、「最後の15メートルが勝負」としていた終盤で失速し、表彰台を逃した。

 「何とも言えないですけど、記録を上げられなかったことが一番悔しいというか、順位よりも記録を少しでも上げられたら(メダルの)チャンスはあった。悔やんでもしょうがない」

 現役続行を表明した今年2月の段階では目標は9月の東京国体だった。練習拠点を日本に移し、「平井先生のもとで腹いっぱい水泳をやって終わりたい」と競技人生が長くないことを示唆していた。だが、日本屈指のスイマーが集結した“チーム平井”に背中を押された。リレー要員での世界選手権代表入りだったが、抜群の調整能力で表彰台を狙えるレベルにまで戻した。「0・3秒上がったらメダルだった。(今の力は)59秒5、6かなと思っていたが、本当の力が出せなかったのが一番悔しい。でも59秒台で3発泳げたし、あと2、3カ月あったら分からないですね」。今季国内レースでは1度も出せなかった1分切りを3本そろえる底力は見せた。

 10年前、自身初めて1分を切り世界新(59秒78)で頂点に輝いたのがこのバルセロナの地。「低い順位かもしれないけど、ここまでの歩みを考えると自分では上出来かな」。20歳の己を超えることはできなかったが、北島は思い出の舞台で魂の泳ぎを貫いた。

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2013年7月31日のニュース