真央 20歳初戦は「やばい」2度転倒

[ 2010年10月3日 06:00 ]

<ジャパンオープン・フィギュア>ジャンプに失敗し転倒する浅田

 フィギュアスケート・ジャパン・オープンは2日、さいたまスーパーアリーナで行われ、バンクーバー五輪銀メダル、世界選手権金メダルの浅田真央(20=中京大)が今季初戦に臨み、フリーの「愛の夢」を初披露したが、ジャンプで2度転倒するなどミスを連発。出場6選手中5位に沈み、92・44点はシニアでの自己ワーストの低スコアだった。高橋大輔(24=関大大学院)は故障から復帰後、初めて4回転ジャンプに成功。日本、北米、欧州によるチーム対抗戦では、日本は合計517・36点で優勝した。

 ちょっぴりビターな20歳初戦だった。シニアでの自己ワーストとなる92・44点の低スコアに、浅田は得点を待つキス&クライで「やばい」を連呼した。ジャンプでミスを連発し、場内のインタビューでは「皆さん、すみませんでした。ホント足を引っ張ってしまった…」とファンに謝罪。小塚に「優勝すれば何でもいいんです!」とフォローされても、硬い表情は変わらなかった。
 フランツ・リストの「愛の夢」で舞う今季のフリーで、らしくない姿を見せた。3―2回転のコンビネーションが単発の1回転になり、演技後半に初めて組み込んだトリプルアクセルは1回転半に。苦手のルッツでは転倒した。表現力が評価される5項目の演技点も伸びず「まだまだ(完成には)程遠いですね」とため息を漏らした。
 シーズン序盤はミスが多い“スロースターター”の浅田だが、激動のオフが例年以上に仕上がりを遅らせた。昨季限りでタラソワ氏との師弟関係を解消。新たに日本人コーチを探したものの、なかなか折り合いがつかなかった。6月、ようやくジャンプ専任コーチとして長久保裕氏(63)が就任したが、9月から佐藤信夫新コーチ(68)に師事することになり、ジャンプを含めた指導を佐藤コーチに一本化。曲をかけてのプログラムの滑り込みはまだ1カ月足らずで、佐藤コーチは「いろいろ迷いがあったまま滑っていたように見えた」と話した。
 今季のテーマはジャンプの修正。この日は失敗したものの、昨季は練習すらしていなかったルッツ、サルコーの苦手ジャンプもプログラムに入れた。「成果は試合で出なかったけど、手応えは感じている」と浅田。今季の最終目標は来年3月、東京で開催される世界選手権での連覇。最悪のスタートから巻き返すしかない。

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2010年10月3日のニュース