長島&加藤が連日のV!五輪出場確実に

[ 2009年11月15日 06:00 ]

男子500メートルで34秒98を記録し、ガッツポーズの加藤条治

 スピードスケートW杯ヘーレンフェイン大会(オランダ)で、日本男子短距離の両エースが500メートルで連日の優勝を飾り、バンクーバー冬季五輪出場を確実にした。13日は長島圭一郎(27)、14日は加藤条治(24=ともに日本電産サンキョー)が、ともに34秒98で今季W杯初優勝。日本は五輪の同種目で上限の代表4枠を獲得できる見込みで、日本スケート連盟はうち2人について12月中旬までのW杯成績で代表を決める方針。長島と加藤は06年トリノ五輪に続く2大会連続出場当確となった。

 最終組で滑った長島とフレデリクス(米国)のタイムを電光掲示板で確認すると、加藤は両腕を突き上げた。前日は同僚の長島が優勝したのとは対照的に、17位に沈んだが、一晩で一気にタイムを0秒57も伸ばして優勝。「1位になれたことがうれしかった」と無邪気に笑った。

 前週のW杯開幕戦のベルリン大会では6位、13位と苦しい戦いが続いていた。しかし、10月下旬の全日本距離別選手権は、滑りに不満を残しながら好タイムをそろえて圧勝しており「あの結果なら(W杯で)勝てるはず。表彰台に立たないと日本に帰れないと思っていた」と安どの表情を浮かべた。

 2大会連続の五輪出場はほぼ確実となったが「完成度は低い。100メートルのタイムもまだ全然。ちゃんと力が(氷に)伝わっていない」と反省ばかりを並べた。初出場だった前回五輪はシーズン序盤に世界記録を出して大きな期待を背負いながら、本番は6位に終わった。「こうして課題を見つけながら少しずつ上げていくのがいいと思う」。4年分の成長を示すための道のりはまだ半ばだ。

 ≪長島「結構ひどい」も「いろいろ試せる」≫長島はゴール直後に首をひねったが、今季初めて35秒を切るタイムを見てようやく拳を上げた。「結構ひどい滑り。35秒1か2ぐらいと思った」。会心の滑りではなくても、五輪出場をほぼ確実にする表彰台の中央に立ち、「良かった。ひと安心」と目を細めた。
 2月の五輪に向け、準備に専念できる立場を早く確保することにこだわってきた。「早く決めてほしい」と不満を漏らしたこともある。まだ切れ味を欠くという体の動き、腰が浮くというカーブワークを、今後はレースの中で調整できるだけに「いろいろ試せるのは大きい」と喜んだ。
 昨季は世界スプリント選手権で総合2位となったが、最後の世界距離別選手権で7位に終わった。その反省から今季はピークをシーズン後半にもってくるように修整。10月の全日本距離別選手権は3位とやや出遅れた感があったが、シーズン後半に体重が落ちることを見越して2~3キロ増量しており、それも想定内の結果だった。「来年1月の世界スプリントを目安にして調子を上げていきたい。そこから1カ月なら(調子が)持つと思う」とメダル獲得の青写真を描いていた。

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2009年11月15日のニュース