中島Jr“父子制覇”へ暫定4位浮上

[ 2009年11月15日 06:00 ]

第3日、通算9アンダーとなった中島雅生は18番で第3打をグリーン手前の池から放つ

 スポニチ後援男子ゴルフツアーの三井住友VISA太平洋マスターズ第3日は14日、静岡県御殿場市の太平洋クラブ御殿場コース(7246ヤード、パー72)で行われたが、悪天候で開始が2時間50分遅れ、日没サスペンデッドとなる波乱の展開の中、賞金シードへ崖っ縁の中島雅生(29=トミーカンパニー)が11ホールを終えた時点でスコアを3つ伸ばし、通算9アンダーで、首位と3打差の暫定4位につけた。父の中嶋常幸(55=フリー)が3勝している大会で、ツアー初優勝と父子制覇を目指す。石川遼(18=パナソニック)は通算7アンダーで暫定12位。暫定首位には通算12アンダーの今野康晴(36=森インベスト)が立った。

 約3時間の遅れにも集中力は切れなかった。インから出た中島は11番パー5で早速、勢いに乗った。第3打をピン奧3メートルにつけてバーディーを奪うと、続く12番で5メートル、さらに13番で7メートルを沈めて3連続バーディー。その後のピンチも16番では5メートルのパーパットをねじ込み、18番パー5ではウオーターショットの第3打を5メートルに寄せて2パットのパーと崩れなかった。

 「中止になったりすると(減額されて)賞金の加算にもかかわる。やってほしいと思っていた」。現在、賞金ランク94位(約512万円)と後がないだけに、気合は十分だった。昨季、初めて賞金シードを獲得。今季はさらに高いレベルを目指して春にクラブを替えたが、5試合連続で予選落ちするなど裏目に出た。それでも、以前のクラブに戻すと夏以降、徐々に調子を上げてきた。

 今大会はこれ以上ない節目となる。父の中嶋常幸は背筋痛で欠場したが、この大会で過去3勝している。父の背中を追いかけ、ゴルフ人生を踏み出した中島はテレビでカップを掲げた父の姿を覚えている。中島自身は18日に30歳の誕生日を迎えるため、これが20代最後の大会。会場には身重の沙野加夫人(25)と長女のひかりちゃん(2)も応援に訪れた。そして、来月は第2子の誕生も控えている。

 単独5位で600万円を稼げば、まずは昨年の賞金シードのラインを超えられる。それでも、目標は1つ。ギャラリーからも「親父に続け」と声をかけられた。中島は「(家族に)良いところを見せたいし、優勝して子供を抱き上げたい」と父がかつて登った頂点のみを見据えていた。

 ◆中島 雅生(なかじま・まさお)1979年(昭54)11月18日、東京都生まれの29歳。日体大を経て02年にプロ転向。昨年は1544万68円を稼いで初の賞金シードを獲得。今季は18試合に出場して最高は東建ホームメイトカップの12位。予選落ちは9度で現在、賞金ランク94位(512万1525円)と厳しいシーズンを送っている。師匠は父・中嶋常幸(55)。家族は沙野加夫人(25)、長女・ひかりちゃん(2)。1メートル72、57キロ。血液型A。

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2009年11月15日のニュース