×

岩本輝雄氏が見るW杯カタール大会準々決勝展望

[ 2022年12月9日 05:10 ]

決勝トーナメント組み合わせ
Photo By スポニチ

 準々決勝4試合は9、10日(日本時間10、11日)に行われる。6度目の優勝を目指すブラジル、決勝トーナメント1回戦で日本を下したクロアチアやアルゼンチンなどが登場。元日本代表MFの岩本輝雄氏が4カードそれぞれの展望を語った。

 【クロアチア―ブラジル オプション豊富なブラジル、堅守のクロアチア】MFネイマールが戻ったブラジルは違う。攻撃がスムーズに流れるし、オプションも豊富で優位にある。ネイマールがいなくても強いが、やや単調に感じるところが違う。ブラジルは外からでも中央からでも点が取れる。FWリシャルリソンは決定力があるし、FWビニシウスはスピードがあって、サイドから仕掛けていく。クロアチアも相当手を焼くはずだ。クロアチアは日本に勝ったが120分戦い、中3日でどれだけコンディションが戻るか。1次リーグから同じメンバーで戦っている影響もあるはずだ。堅守を支えているCBのDFロブレンとグバルディオルの2人が、ネイマールらをどう抑えるか。封じられればMFモドリッチを中心とした攻撃陣がいるだけに、勝機はある。

 【オランダ―アルゼンチン 確実性のオランダ、奪取が武器のアルゼンチン】オランダは1次リーグは無理せず、確実に勝ち点を取る戦いをしてきたが、試合を重ねるごとにコンディションが上がり、チームの完成度が上がっている。バルセロナの若き司令塔のMFデヨングからサイドに展開して攻めるが、アンカーの位置に入るデヨングにどれだけボールを集められるか。しっかりパスをつなぎ、攻撃の質は高い。アルゼンチンはMFメッシが絶好調で、ゲームメークもするし、ゴールも決めて、全盛期を思い出させるほどだ。さらにアルゼンチンは伝統的に守備も固く、待ち構えるのではなく、前に出てきてボールを奪う。球際も強いくタフだ。オランダがひとりマークを外せばビッグチャンスになるが、そうさせない守りができるか。そこが注目だ。

 【モロッコ―ポルトガル 勢いあるモロッコ、全方位点取れるポルトガル】モロッコは強豪を次々に破り、勢いもある。選手もパリSGに所属するDFハキミを中心にチームがよくまとまっている。組織的な守備は連係もできていて、引いて守備を固めることはしない。スペインもくずせなかった。さらに欧州の競合に所属している選手が多く、勝ち方もしっている。ポルトガルはFWC・ロナウドが以前ほどの破壊力はないが、存在感は抜群だ。マンチェスターC所属のMFベルナルドシルバは高さはないが、縦横無尽に動いてゴールも狙うし、ゲームメークする。元スペイン代表のMFイニエスタに決定力を加えたタイプだ。チームもどこからでも点が取れるし、高さもあるのでセットプレーでも点が取れる。ベルナルドシルバをモロッコがどう抑えるかがポイントだ。

 【フランス―イングランド 圧巻の攻撃陣フランス、縦に速いイングランド】優勝候補に上げられながらあっさり負けるのがイングランドだが、今回は相当強い。攻撃は縦に早く、決定力がある。特にボールを奪ってからの攻撃が早いのが特徴だ。ラッシュフォードら若手、中堅が活躍しているが、ベテランFWケーンもゴールを決めて融合している。プレミアリーグで活躍している選手が多く、攻守共にレベルは高い。フランスはFWエンバペ、ジルー、デンベレ、MFグリーズマンと世界屈指の選手が並ぶ攻撃陣は圧巻で、攻撃力は今大会No・1だ。トップ下のグリーズマンが自由に動き、そこから両サイドに展開していく。エンバペは1人では止められないし、攻め残って1対1のいい形をつくることもある。イングランドがエンバペらをどう抑えるかも注目だ。

続きを表示

2022年12月9日のニュース