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欧州SLに即抗戦 CL打ち切りなど検討、UEFA レアル、チェルシー、マンC除外へ

[ 2021年4月21日 05:30 ]

<リーズ・リバプール>試合前、リバプールのレプリカシャツを燃やすリバプールファン(AP)
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 サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)が打ち切られる可能性が出てきた。欧州の有力クラブによるスーパーリーグ(SL)創設が発表されたことを受け、CLを主催する欧州サッカー連盟(UEFA)幹部が19日、SLに参加する3チームを今季の準決勝から除外する考えを示した。波紋を広げるSL構想が世界最高峰の大会を揺るがしている。

 SL構想発表から一夜明けた19日、UEFAの対応は早かった。理事会でSLに対抗するCLの参加数拡大(32→36)を承認し、加盟国がSLに反対していくことで一致。さらにデンマーク協会会長のメラー理事は地元テレビ局に「(SL参加の)クラブは(CLを)去らなければならない。金曜日(23日)に決まると思う。それから今季のCLをどう終えるか考えなければ」と発言。23日の緊急理事会で今季のCL準決勝に残っているSL参加3クラブの除外に動く考えを示した。

 27日からの準決勝はRマドリード―チェルシー、パリSG―マンチェスターCの対戦で行われるが、パリSG以外はSL参加方針のクラブ。大詰めで3チーム除外となれば前代未聞だが、国際サッカー連盟(FIFA)と歩調を合わせて今夏の欧州選手権、来年のW杯からの除外にも言及する中で、伝統の大会も例外ではない。

 3チームを外した場合に想定されるシナリオは(1)順位を決めずに打ち切り(2)打ち切った上でパリSGの初優勝を認定(3)準々決勝敗退でSLに参加しないBミュンヘン、ドルトムント、ポルトを復活させて準決勝開催、とされる。欧州では放送権収入に打撃を与えない(3)を有力とする報道もある。同じくSL参加のマンチェスターUとアーセナルが4強に残っている欧州リーグとともに目が離せない。

 SL側との対決では追い風が吹く。サッカーが文化として根付く欧州にあって、ダウデン英スポーツ相は「阻止に全力を尽くす」とし、フランスのボーヌ欧州問題担当相も「断固とした措置を取るべき」とUEFAに呼び掛けるなど、騒動はスポーツの枠を超えた社会問題となっている。

 20日のUEFA総会ではチェフェリン会長がイングランド6クラブのオーナーに「まだ考え直す時間はある」と翻意を促した。一方でFIFAのインファンティノ会長は「SL創設は認めない。我が道を進みたければ自分たちの選択に責任を持つべき」と突き放し、対応次第では対決姿勢をさらに強める構えを示した。

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