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巻誠一郎氏、“利き足”頭で有終ハット!引退試合、豪華メンバー集結

[ 2020年1月14日 05:30 ]

得意のヘディングでゴールを決めた巻氏
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 06年W杯ドイツ大会に出場した元日本代表FWで、18年限りで現役引退した巻誠一郎氏(39)が13日、熊本市のえがお健康スタジアムで引退試合に臨んだ。現役時代に武器だったヘディングで3得点するなど、5得点の活躍。元日本代表MF小笠原満男氏(40)ら豪華な顔触れがそろう中、1万970人の観衆を沸かせた。

 これ以上ない締めくくりだった。後半ロスタイム。ゴール前でフリーの巻氏がこの試合自身5得点目を右足で決めると、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。直前にPKを外していただけに、「外しても外しても、人生と一緒で諦めずチャレンジするところを見せられた」とすがすがしい表情だった。

 スタジアムには1万人を超えるサポーター詰めかけ、前半は在籍した千葉や熊本のメンバー中心のチーム、後半は元日本代表の面々で構成されたチームでプレー。元日本代表MFの小笠原氏が蹴ったコーナーキックに頭で合わせ沸かせた。「利き足は頭」と語っていた武器のヘディングで3得点と“らしさ”全開だった。

 16年の熊本地震では自身も被災。復興支援活動を通して「サッカー選手の価値はもっと社会で大きく生かせると思った」という。今後は引退後から取り組んでいる障がい者の就労支援などを引き続き行う考えだ。応援に駆けつけた蒲島郁夫熊本県知事からは「ロアッソ(熊本)の指導者として帰ってきて」とラブコールを送られた。

 試合後にはピッチで3度胴上げされて感無量の様子だった。「現役時代には楽しいと思うことは少なかったけど、今日は最後の最後まで楽しかった」。涙はなく、笑顔で最後のピッチを後にした。
 ≪岡田氏称賛「凄い」≫日本代表中心のチームを率いた元日本代表監督の岡田武史氏は「引退から1年たって、これだけの選手とお客さんが来たのは巻のプレーや人徳」と驚き、プレーぶりについては「足は外しまくっていたけど、頭は凄いよ。大したもん」と話した。ゴールをアシストした小笠原氏は巻氏の復興支援活動に「何かしたい思いの人はいっぱいいるけど、なかなか行動できる人は少ないと思う」と敬意を示していた。

 ▼主な引退試合参加者(敬称略) 楢崎正剛、中田浩二、福西崇史、加地亮、鈴木啓太、久保竜彦、鈴木隆行、稲本潤一、播戸竜二、小笠原満男、本山雅志、水野晃樹、羽生直剛。ナオト・インティライミ(歌手)

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