静学がキング!3発逆転で初単独V!中谷2発「また王国として君臨できるような一歩踏み出せた」

[ 2020年1月14日 05:30 ]

第98回全国高校サッカー選手権最終日 決勝   静岡学園3―2青森山田 ( 2020年1月13日    埼玉 )

優勝し喜ぶ静岡学園イレブン(撮影・西海健太郎)
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 決勝が行われ、5年ぶり12回目の出場の静岡学園が青森山田に3―2で勝利し、24大会ぶり2度目の優勝を飾った。前回は鹿児島実との両校優勝で、単独優勝は初めて。2点をリードされたが、前半アディショナルタイムにDF中谷颯辰(3年)の得点で反撃すると、同点で迎えた後半40分に再び中谷のゴールで勝ち越し。県勢の栄冠も24大会ぶりで、サッカー王国・静岡の復権を全国に知らしめた。

 全てを出し切った。サッカー王国・静岡の復権を告げるホイッスルが鳴り響くと、中谷はピッチに倒れ込んで両手を空に向けて掲げた。「みんなが寄ってきて、優勝したんだという実感が湧いてきた。また王国として君臨できるような一歩を踏み出せたと思う」。チームのムードメーカーが、集大成となる晴れ舞台で大仕事をこなした。

 0―2で迎えた前半アディショナルタイム。「2失点をして責任を感じていた」という中谷が反撃の狼煙(のろし)を上げた。川口修監督が「得点感覚がある」と評する男がこぼれ球に反応。右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。さらに同点で迎えた後半40分。FKから遠いサイドで頭で合わせた。「最初はキッカーにニアで合わせると言ったが、スペースが空いていると思ってファーに体が勝手に動いた」。決勝で0―2から90分間での逆転劇は戦後初めて。大逆転の立役者となった。

 中学の頃はヘディングで勝負しない選手だった。ただ、高校ではセットプレーの的になれないと生きていけない。入学当初は1メートル70に満たなかったため、タイミングとマークの外し方が勝負と決め、自身で練習法を考案した。最初はボールを壁に当てて、跳びながらキャッチ。感覚をつかむと、仲間に手伝ってもらってハイボールへの対処を体に染みこませた。成人の日に決勝戦が行われるようになった81回大会以降では史上最多となる5万6025人の大観衆の前で、これまでの努力を結実させた。

 決勝進出を決めた11日の準決勝・矢板中央戦後、父・祐治さんにLINEで「絶対に優勝する」とメッセージを送ったという。その宣言通り、中谷は自らのゴールで静岡学園に新たな歴史を刻み込んだ。

 ◆中谷 颯辰(なかたに・そうしん)2001年(平13)9月12日生まれ、大阪府出身の18歳。中大江小1年でサッカーを始め、大阪市立東中に進学。大阪市ジュネッスFC―静岡学園。小5からセンターバック。勉強の出来はサッカー部で一、二を争い、県予選決勝は受験のために出場できなかった。早大に進学予定。家族は両親と姉2人。1メートル78、64キロ。利き足は右。血液型はB。

 ▽95年度大会の静岡学園 井田勝通監督のもとDF森川拓巳(元仙台)や1年生GK南雄太(横浜FC)らの活躍で勝ち進み、決勝でFW平瀬智行(元鹿島)を擁する鹿児島実と激突。前半28分にMF森山敦司(元横浜F)のゴールで先制し、後半開始早々にMF石井俊也(元浦和)が頭で決めて2点差とした。だが直後に1点を返され、後半終了間際にも失点して同点。延長突入も両校とも得点なく、大会7度目の両校優勝(ともに初優勝)となった。

 【決勝データ】
 ☆2点差逆転 静岡学園が2点差を逆転して優勝。決勝では2013年度の富山第一(対星稜、0―2→延長3―2)以来で、延長なしでは戦後初。
 ☆最長ブランクV 静岡学園は24年ぶり2度目の優勝。複数回の優勝は18校目。15年度東福岡の17年ぶりを上回る最長ブランクV。
 ☆王国復権 静岡勢は11度目の優勝。兵庫17度、埼玉13度に次ぎ都道府県別3位。
 ☆アベックV 女子も静岡の藤枝順心が優勝。同じ年度の男女アベック優勝は04年度鹿児島(鹿児島実、神村学園)、10年度兵庫(滝川二、日ノ本学園)に次ぎ3度目。
 ☆観衆最多 決勝観衆は5万6025人。14年度から会場の埼玉スタジアムの決勝最多を昨年に続き更新。

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