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13年ぶりキング帰還!カズ J1昇格に歓喜「イニエスタの股抜きたい」

[ 2019年11月25日 05:30 ]

明治安田生命J2最終節   横浜FC2-0愛媛 ( 2019年11月24日    ニッパツ )

<横浜FC・愛媛>サポーターとJ1昇格を喜ぶ三浦知(右)と瀬沼(撮影・篠原岳夫)
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 カズが、俊輔がJ1に戻ってくる!J2は24日に最終節の11試合が行われ、横浜FCは愛媛に2―0で快勝し、自動昇格の2位で07年以来13年ぶり2度目のJ1昇格を決めた。後半42分から出場したキングことFW三浦知良(52)にとっても13年ぶりのJ1舞台となる。先発したMF中村俊輔(41)は前半32分に右CKからPKを誘発し、先制点をお膳立て。ともに現役続行の意向で、J1は来季大いに盛り上がりそうだ。

 試合終了を告げる笛が鳴り響くと、カズは2回手を叩き、左拳を小さく握りしめた。派手なアクションも、涙もない。ただ、13年ぶりのJ1挑戦がかなう喜びをかみしめた。

 「最高の形で昇格ができ、その輪に加われたことは誇りで光栄。感動しました」

 後半42分。背番号11がピッチサイドに姿を現すと、この日一番の歓声が起こった。「ベンチに座っていても緊張した。こんなの初めて」と言うが、ピッチに立つと「落ち着いた」。相手の突破を阻止しようと気迫のスライディングを試みるなどアディショナルタイムも含めた約6分間を全力で駆けた。

 昇格を喜ぶ半面、今季出場は3試合で「僕自身はベンチ外も多く、悔しい思いもたくさんある」とこぼした。だが、モチベーションが下がることはない。昨年末、親交ある元イタリア代表FWのバッジオ氏と再会。同い年の盟友は別れ際まで何度も繰り返した。「現役を続けろ!俺は膝が悪くてできなかった。苦しい時は俺を思い出せ。俺が背中を押す」。

 勢いのある若手や屈強な外国人とポジション争いは続くが「(開幕までの)3カ月が大事になる」と12月にはグアムでの個人キャンプを予定している。

 来年2月26日、53歳になる。「基礎体力と技術があれば組み合わせ次第で新しい自分が見せられる」と前を向く。腹筋、腕立てなどのトレーニングでも必ず周囲より1回多くこなす。ラーメンを食す際も具材の成分を 栄養士に確認してから食べる。24時間全てをサッカーに費やしている。

 引退の2文字は考えたこともない。「できれば選手のまま、カズのまま死にたい」と真顔で話す。4月にイスラエルでGKハイクが73歳で試合に出場したが、所属は4部リーグ。ウルグアイのMFカルモナが53歳でプレーし、ギネス記録にも認定されたが、こちらも2部リーグだった。53歳でのトップリーグ挑戦となれば世界的にも前人未到の領域だ。

 「楽しみですね。イニエスタの股を抜きたい」

 J1の舞台に戻ってくるキングカズ。2020年、新たな伝説が刻まれようとしている。

 ≪最長ブランク≫横浜FCが07年以来、13年ぶりのJ1復帰を果たした。J2降格から再昇格までの年数では、10年湘南の11年を上回る最長ブランク。

 ≪来季53歳シーズン≫FW三浦知良は来季も横浜FCでプレーすれば、13年ぶりのJ1、53歳でのシーズン。出場すれば、12年中山雅史(札幌)の45歳2カ月1日、得点すれば、94年ジーコ(鹿島)の41歳3カ月12日を大きく更新する。

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