西野監督“神がかり采配”２戦連続交代カード的中で下馬評覆す

Ｗ杯１次リーグＨ組   日本２―２セネガル （ 2018年6月24日    エカテリンブルク ）

＜セネガル・日本＞後半、ワゲにゴールを決められた直後、本田（左から２人目）を投入する準備をする西野監督（右から２人目）（撮影・西海健太郎）
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　気温３２度。セネガルとの激闘から一夜明け、カザンに戻った西野監督は手倉森コーチの仕切るサブ組の練習を静かに見つめていた。ビルドアップからのシュートや４対４のゲーム形式など約１時間。２８日のポーランド戦を見据え、控え選手の調子を見極めた。「（セネガル戦の）勝ち点１を高く評価したい。次につながる内容、結果。トップ通過できる状況がある」。１次リーグ首位通過を目指し第３戦も勝利を追求する。

　神がかっている。２４日のセネガル戦。１―２と勝ち越された直後の後半２７分に本田をトップ下で投入。後半３０分には大迫、岡崎の２トップにして本田を右サイドに移した。その３分後に右から本田が詰めて生まれた同点弾。１９日のコロンビア戦でも途中起用の本田が決勝アシストを記録し、２戦連続で采配が的中した。１―１のハーフタイムには「勝ち切ろう」と指示。宇佐美も含め交代枠はすべて攻撃的カードで、白星にこだわるメッセージを送り続けた。

　ビルドアップではボランチの長谷部がセンターバックの間に下がり、３バックのような陣形で効果的なパスを供給。５月３０日の親善試合ガーナ戦で３―４―２―１布陣をテストしたのは、前線からの圧力が強いセネガルをいなす伏線だった。前半４５分の相手ＦＫの場面では意表を突くオフサイドトラップを成功。長谷部主将は「駆け引きの意味合いが強い。あの１本が成功したことで“日本は何をやってくるか分からない”となる。監督は策士ですね」と説明した。

　決勝トーナメントへの意識を高めるため、ＰＫ練習も実施。午前練習だったが、ポーランド戦のキックオフ時間午後５時には外に出て暑さを体感するように指示を出した。下馬評を覆して、２試合で勝ち点４を獲得。２大会ぶり３度目の決勝トーナメント進出へ、第３戦の地ボルゴグラードでも“西野マジック”をさく裂させる。